愛田真夕美「からくりお嬢様」(1995年7月20日第1刷発行)

 収録作品

・「からくりお嬢様」(1994年「ハロウィン」7月号)
「高橋ヒロのクラスに転校してきた、文楽瑠璃と浄の双子の姉弟。
 二人は非常に仲がよく、瑠璃はとても美人であった。
 だが、瑠璃は、その美しい容姿とは裏腹に、残虐性を秘めていた。
 ヒロは彼女に興味を覚え、ひそかに観察する。
 ある日の放課後、ヒロは、放課後に一人残っている瑠璃が涙を流しているのに気づく。
 背後から殴られ、気絶したヒロが、目覚めると、文楽姉弟の屋敷にいた。
 そこで、ヒロは、浄から意外な事実を聞かされる。
 浄の前世は魔女で、瑠璃は彼が作った人形なのであった。
 浄はヒロの魂を抜いて、瑠璃の友達にしようとするが…」

・「からくりお嬢様・2 ボクの魔女日記」(1994年「ハロウィン」11月号)
「ヒロと瑠璃が付き合うようになり、浄は嫉妬に苦しむ。
 そんな彼の前に、彼が五歳の時に出会った、金髪に碧眼の外国女性の霊が現れる。
 彼女は、彼の前世で、十六世紀に魔女裁判で火刑に処せられていた。
 魔女の霊は、瑠璃を取り戻す代わりに、瑠璃の身体を彼女に捧げるよう条件を出す。
 浄は、独占欲と瑠璃への愛との板挟みになるのだが…」

・「からくりお嬢様・3 人形狩り」(1995年「ハロウィン」1月号)
「瑠璃、浄、ヒロの三人で遊園地に行った帰り、ヒロは、女の子の霊を視る。
 女の子は、少女連続殺人事件の被害者であった。
 また、浄も、瑠璃の首が何者かに鎌で切断されるという夢を見ていた。
 浄はこれらを何らかの警告だと考える。
 瑠璃の首を狙う男の目的と、その正体は…?」

・「真夏の夜の悪夢」(1994年「学園ミステリー」No.19)
「母の離婚を機に、坂本真由は、母の故郷の長崎県綱島に引っ越してくる。
 町長の娘、松島ゆり子に目の敵にされるものの、幼い頃、一緒に遊んだ祥巨(しょうご)と再会し、仲良くなる。
 祥巨に片想いをする、ゆり子は真由に対する憎悪を深め、一計を案ずる。
 それは、クラスで一泊キャンプをするというもので、場所は「乙女が鼻」のキャンプ場。
 乙女が鼻は、流れ着いた平家のお姫さまが、駆け落ちしようとした恋人を殺され、後に自分も断崖から身を投げた伝説があり、「黒髪塚」にはお姫様の髪の毛が祀られているという。
 更に、乙女が鼻では、最近、数学の男教師が行方不明になっていた。
 キャンプの夜、皆で、乙女が鼻の岬の端にある黒髪塚に、男女ペアで肝試しに行くことになる。
 ゆり子は詳巨と、真由は、クラスの不良とペアになる。
 黒髪塚に向かう途中、真由はその不良に襲われそうになるのだが…」

 「からくりお嬢様」は、意外とノ〜天気な展開で、個人的にヒットでした。
 特に、最初はキザに決めていたのに、どんどん踏んだり蹴ったりキャラになる文楽浄が、岡田あーみん先生「ルナティック雑技団」の愛咲ルイとオーバーラップしてしまいます。
 浄がいじられる姿をもっと見たいのですが、他に続編はないのでしょうか?

 
2021年5月26日 ページ作成・執筆

朝日ソノラマ・リストに戻る

メインページに戻る