神田森莉「37564学園」(1995年9月1日第1刷発行)

 収録作品

・「37564学園」(1994年「ホラーM」9月号)
「古い全寮制の名門フラワー女子学園。
 住所が黒花町三丁目七番地564号のため、「37564学園」の別名もあった。
 この学園で「夜の十二時になると講堂のキリストが涙を流す」という噂が立つ。
 その噂を確かめようとした、新聞部の美奈子が惨殺され、噂は「キリストが次のエモノを求めてさまよっている」に発展。
 続いて、セクシークイーンの里都美、茶道部のお嬢様の咲衣が犠牲となり、学園内はパニックとなる。
 疑いは「デメ金」とあだ名される女子生徒に向けられるが、親友の真白は彼女をかばう。
 その夜、オカルト研の摩由子が夜の講堂に忍び込むのだが…」

・「37564ハイスクール」(1994年「ホラーM」10月号)
「サッカーの名門、グレース学園。
 だが、今年の部員達はキャプテンの冬馬以外はろくな選手がいない。
 ある日、サッカー部に小田倉リマという女子選手が入って来る。
 リマは女子サッカーの天才と言われ、技術も情熱も男以上。
 最初、反発していた冬馬は彼女を認めざるを得ず、彼女に好意を抱くようになる。
 一方、他の部員達はセクハラまがいの行為をして、リマに嫌がらせを行う。
 その選手達は、去勢されて、オカマになったり、生きたまま皮を剥がされた後、ゴールポストに磔にされたりする。
 これは「サッカーボール仮面」の仕業であった。
 サッカーボール仮面の正体は…?
 そして、リマは母親の命令でサッカー部に入ったのだが、その目的は…?」

・「君が腐っている」(1994年「ホラーM」8月号)
「日本屈指の霊能者でオカルト研究家の宇蘭。
 彼女は左目が上下に二つあるという奇形があり、人里離れた山荘に住んでいた。
 ある日、第一高校新聞部の幸田雄高という青年が夏休みを利用して取材に訪れる。
 宇蘭は彼に一目惚れするが、結花里という同じく新聞部の女子学生も同伴であった。
 二人は一応つきあっており、宇蘭は一応はあきらめる。
 しかし、宇蘭は秘密を知られた時の雄高の優しさに感動し、どうしても彼の恋人になりたいと願う。
 彼の愛を得るため、彼女はある実験を敢行する。
 それは一時的な毒薬を飲んで、死後の世界を見てくるというものであった。
 だが、24時間経っても、彼女の霊魂は身体に戻らず、三日後には身体が暑さで腐敗し始める。
 雄高と結花里はウィジャボードで霊界通信をすると、宇蘭は一度死んだために、身体に戻ってこれなくなったと伝えてくる。
 通信の最中、結花里の様子がおかしくなる。
 霊的な障害らしく、カメラで彼女を撮ると、「白いもの」が彼女の首を絞めていた。
 五日後、結花里は平常に戻ったかに見えたが…」

・「恐怖ウジ虫少女」(1994年「ホラーM」11月号)
「経済的な事情から、由希は鬼来病院に一人で二週間、入院することになる。
 この病院は人里離れた場所にあり、監獄のようであった。
 院長の鬼来はぱっと見は優しそうだが、少しでもキレると、凶暴極まりない。
 患者達も皆、青い顔をして、おどおどしており、何故か手足のない人が多い。
 不良少女風のかれんによると、この病院では人体実験をしているらしい。
 不安が募る中、由希の様子を窺う何者かの姿があった。
 この幼児のような人影の正体は…?」

・「まま母ビン詰め地獄」(1994年「ホラーM」12月号)
「母親が病死して四年後、父親は唄子という女性と再婚する。
 長女の真奈美(高校三年生)は歓迎するが、次女の心子(中学二年生)は敵意を丸出しにする。
 実際、唄子の目当てはこの家の財産であった。
 彼女は父親を毒殺した後、しつけと称して、心子を犬小屋に住まわす。
 ある雨の夜、唄子がどこかに出かけるので、心子は首輪を外して、後を追う。
 向かった先はSMクラブで、唄子は真奈美の同級生をSMショーで虐殺する。
 それを目撃した心子は唄子に捕まり、ビンに閉じ込められた挙句、大量の青虫を入れられる。
 心子が餓死しそうな時、今度は真奈美が唄子の餌食となる…」

・「ドクロ蝶666の恐怖」(1995年「ホラーM」1月号)
「ある高校で殺人事件が何件も起きる。
 どうやら「No.666」という香水が絡んでおり、この香水をかいだ者は本音を言い出して、狂暴になるらしい。
 新聞部の連中(部長の弘樹、博美、美奈子、淳司)はこの香水を渡した丹野小八重という女子生徒に突撃インタビューをする。
 小八重は香水が原因であることを否定し、香水研究所に取材に来るよう誘う。
 週末、新聞部の四人は丹野香水研究所を訪れる。
 小八重の父親が所長で、「No.666」は彼が三十年かけて研究し作った究極の香水であった。
 原料は生きた蝶で、そのまますり潰したものを絞ったエキスで作られる。
 四人はその夜、研究所に泊ることとなる。
 博美が小八重とお茶を飲んでいると、いきなり小八重が博美の首を絞めてきて、「あたしを愛してくれたら生かしといてあげるわ」と言う。
 小八重は冗談でごまかすも、彼女は「No.666」をつけていた。
 博美は怪しいと思い、何か秘密があるのではないかと考える。
 彼女は研究室に忍び込み、小八重が隠しがっていた研究室の奥のドアを開ける。
 その部屋のケージの中には…」

 ぶんか社からの単行本二冊目とあって、神田森莉・節はますますヒート・アップ!!
 常軌を逸したストーリーに、独特なエログロ描写をふんだんにまぶし、絶望的に悪趣味なのですが、ネジの緩んだユーモアがビミョ〜にマッチして、何故か心を捉えて離しません。
 個人的には、意外とシリアスな「君が腐っている」、レスボスがちょっぴり入った「ドクロ蝶666の恐怖」が好みです。
 特に、「君が腐っている」に登場する宇蘭はソバージュ・ヘア(と言うのか?)がいい感じで、神田作品には珍しいタイプの美人では?

2022年11月20日 ページ作成・執筆

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