まつざきあけみ「ブラディ・マリー」(1997年3月1日発行)

・「天使の私と悪魔のあなた」
「亜子は幾度となく、自分が小動物を殺したり、子供をいじめたり、更には殺人まで犯す夢を見る。
 しかし、実際は、亜子は天使のような人柄で、誰からも慕われる存在だった。
 それ故、そんな恐ろしい夢を見ていることを誰にも言うことができない。
 そんなある日、亜子の双子の妹、麗美の存在が判明、アメリカ合衆国から帰ってくる。
 妹ができたと喜ぶ亜子だが…」

・「ストーカー」
「姫川流歌は売り出し中のニューアイドル。
 彼女は、下品でブ男、無神経なストーカーに悩まされる。
 始終ストーカーに脅かされる流歌だが、逆に、それがもとで大アイドルへの順調なステップを踏んでいく…」

・「眠れる森の美女」
「映画撮影のロケ場所を探して、山で迷った二人の青年。
 彼らは山奥にあるとは信じられない邸にたどり着く。
 そこには、北条園絵という若く美しい女性と、よぼよぼの老人が二人。そして、二人は夫婦だと言う。
 青年のうちの一人は園絵の虜となり、彼女の「王子様」になろうとするが…」
 これは二話編成になっておりますが、後半の鎌倉時代(?)を舞台にしたショート・ショートな作品の説明は割愛させていただきます。

・「虹が丘の子供たち」
「子供は大人を映す鏡だと、子供たちを町を挙げて大切にする、虹が丘。
 大切にされる子供達は皆、いい子ばかり。少年犯罪率も最低だった。
 一方で、子供の名のもとで老人達は軽視され、虐げられる。
 老人達が「大人たち」に行う復讐とは…?」

・「ブラディ・マリー」
「亜衣の姉、千代美は、事故に遭い、死ぬ直前、人形のマリーに自分の魂が宿ると言って、息を引き取る。
 母も亜衣も人形を大切にするが、千代美の死を受け入れることのできない母親は人形に自分の生命力を吹き込んでしまう。
 母親の死後、異様な出来事が続発する…」
「チャイルド・プレイ」を思わせる、B級ホラー的内容がいい塩梅です。(「スペース・バンパイア」の要素が入っていることも嬉しい。)
 チャッキーのような可愛げのない人形よりも、可愛いフランス人形が凶行を行う方が、イメージ豊かでいいと思いませんか?

平成27年1月26日 ページ作成・執筆

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