西川淳「FLY とんでもテレポートガールユミ@」(2003年10月10日初版第一刷発行)

 女子高生の石田ユミ(16歳)は瞬間移動能力者。
 ただし、その能力を自分でコントロールできず、いつ、どこに飛ばされるか全て運まかせ。
 毎日がサバイバルの彼女が巻き起こす騒動とは…?

・「第1話 操縦不能飛行少女」(「ホラーM」2002年9月号)
「二学期が始まって二日目。
 夏休みボケで遅刻しそうになったユミは瞬間移動でギリギリ・セーフ。
 担任の女教師、鬼妻チヒロに怒られそうになるも、彼女はいまいち元気がない。
 と言うのも、四日前に恋人の藤宮がヒマラヤで遭難し、捜索が打ち切られたからであった。
 ユミは藤宮と自分を重ね合わせ、鬼妻先生に同情し、彼の生存を信じるよう励ます。
 そんな彼女が次にテレポートした場所は…?」

・「第2話 クリスマスは「ブラン」城で」(「ホラーM」2003年1月号)
「12月24日、石田ユミと友人の川本マコリンはあやしげなバイトの後、ラーメン屋に入った瞬間、テレポートする。
 移動場所はルーマニア北部のトランシルヴァニア地方にある「ブラン城」。
 ここにはフランスの特殊部隊が吸血鬼退治に潜入していた。
 クラスメートの光妙寺隋周(寺の跡取り息子で、マコリンが好き)も参加しており、ユミは彼の秘密を知る。
 彼はいつもはおチビなチンチクリンだが、本来はマッチョマンであった。
 しかし、マッチョマンでいると、全ての能力が三倍の代わりに、時間の経過も三倍で、普段は身体を縮めていたのである。
 彼は最上階の吸血鬼を倒しに行き、ユミとマコリンは地下に潜った特殊部隊を追う。
 だが、特殊部隊は一人の吸血鬼により全滅していた…」

・「第3話 吸血鬼ラドゥ四世」(「ホラーM」2003年2月号)
「ユミはラドゥ四世と出会う。
 彼は由緒正しき本家本元の吸血鬼で、人の心を読むことができた。
 ついでに、日本かぶれで日本語はペラペラ。
 マコリンもよぼよぼの大ミルチャ老公に襲われ、二人は大ピンチ。
 隋周は間に合うのだろうか…?」

・「第4話 強敵!四方堂兄妹現る」(「ホラーM」2003年3月号)
「家が世界的巨大企業『四方堂グループ』の四方堂マモル・ルイの兄妹。
 マモルは医学・薬学の天才科学者で、ルイは魔術・呪術の専門家であった。
 二人はユイの瞬間移動能力に目を付け、2月14日に彼女の高校に転入する。
 放課後、ルイは帰宅途中のユイを呪いの人形によって足止めする。
 マモルはユイに「物質転移」の研究に協力するよう要請するのだが…」

・「第5話 飛んで雪国」(「ホラーM」2003年4月号)
「3月の休日のある日。
 ユミとマコリンは池袋に服を買いに来ていた。
 ユミが試着室で服を試着していると、突如、青森の田舎にテレポートしてしまう。
 旅館を見つけたものの、温泉に入ろうとした途端、またもやテレポート。
 今度の移動場所は北津軽郡金森町にある骨董「古今堂」で、呪物オークションの真只中であった。
 しかも、伝説の「裏・見返り美人」にお湯をぶっかけてしまい、「呪い神」を解放してしまう…」

 前の袖によると、西川ジュン・名義での「FLY」の『リニューアルオープン』とのことです。
 基本的な設定は同じですが、一部のキャラの設定変更や新キャラの登場があります。
 ただし、単行本は一巻のみで、「ホラーM」も揃えておりませんので、どれだけ続きがあるのか不明です。
 もしも詳しいことを御存知の方がおられましたら、ご教示いただけると幸いです。

2023年6月20日 ページ作成・執筆

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