西川ジュン「血液少女」(1998年7月1日発行)
・「血液少女」(「月刊ホラーM 1997年6月号」)
「「血液女」とあだ名される、稲森いづみは、時・場所を選ばず、突然に体中から血を流すという奇病にかかっていた。
保健委員の山口ゆきえは、いづみを世話しながらも、それは内申書のため、そして、いづみの兄のためであった。
ある日、ゆきえはいづみの兄から家に誘われる。
そこで、いづみの秘密を知るのであった…」
・「アンバランス」(「月刊ホラーM増刊ホラーSVol.1 1997年」)
「伊藤記子(のりこ)はかなり太目の竹野内に告白される。
断ろうとしたところ、竹野内に抱きつかれ、何とか逃れたものの、その日以来、太った人間に嫌悪感を覚えるようになる。
その嫌悪感は自分にも向けられ、記子はどんどん痩せていく…」
・「コンプレックス」(「月刊ホラーM増刊ホラー&スプラッターVol.1 1997年」)
「西田琴実は憧れの竜崎隆に告白される。
しかし、琴実には秘密があった。
それは左手の薬指の内側にあるイボ。これがあるため、隆の右側で手をつなげない。
琴実は剃刀でイボをむりやり除去するが…」
イボ切除のシーンは、YouTubeで断片的に観た「Clean Shaven」の爪をナイフで抉り取るシーンに匹敵する嫌さです。
「Clean Shaven」、早くDVD化されないでしょうか?
・「特異体質1998」(「月刊ホラーM 1998年2月号」)
「いくら大量の食事を摂っても、ちっとも太らない少女。
代々髪の毛を切ってはならないという掟のある家の少女。
彼女達の特異体質の秘密とは…?」
・「人形令嬢」(「月刊ホラーM 1998年5月号」)
「謎の人形をかぶったまま、授業を受ける月島という少女。
彼女はモデルの月島クローディアではないかという噂もあり、正体を探るため、同級生二人が彼女の邸を訪れる。
そこで明かされる「人形令嬢」の正体とは…?」
・「ヒロイン」(「月刊ホラーM 1997年10月号」)
「ゾンビ映画がバッド・エンディングだったことにブーたれる少女達。
彼女達は深夜、ビデオレンタル屋にビデオを返しに行くが、そこで変質者に絡まれる。
その次には、謎の通り魔「切り裂きキャット」が現われる…」
・「クワズギライ」(「月刊ホラーM 1997年1月号」第5回ホラーM新人まんが大賞入選作品)
「ゴキブリを捕食する、大きな蜘蛛アシダカグモを生理的に恐怖する少女。
彼女の友人の「蜘蛛をカニと思えばいい」という言葉により、食べ物が全て蜘蛛に見えるようになる。
食事を取れず、痩せ衰えた末に…」
西川ジュン先生の初単行本。
強烈なカバー絵でキワモノの印象があると思いますが、そういうことはありません。
ちょっぴり変わってはおりますが、それなりの水準の作品が揃っておりまして、個人的なベストは「人形令嬢」です。
「ヒロイン」の能天気さも素敵です。
平成27年1月24日 ページ作成・執筆