千之ナイフ「カマキリ女」(2000年6月1日初版第1刷発行)

 収録作品

・「カマキリ女」('98「月刊ホラーM6月号」初出)
「千秋の学校で起こった、教師の殺人事件。
 その教師は首を鋭利な刃物で切断され、首はどこかに持ち去られていた。
 千秋の弟によると、それは「カマキリ女」の仕業らしい。
 カマキリ女は長い髪を垂らし、赤いコートを来て現れ、鋭い鎌で人の首を切り取って、人形に改造すると噂されていた。
 その噂の通りに、千秋の周囲では、生徒達の首切り事件が頻発する。
 どうも、新しく赴任してきた女教師、鈴ヶ森マリ子に秘密があるようなのだが…」

・「善田家の地獄」('99「月刊ホラーM6月号」初出)
「舞の隣に引っ越してきた善田家。
 彼らは、どんな些細な悪でも見逃さい。
 悪人は、甘言で拉致して、裁判にかけ、片っ端から有罪を宣告。
 断罪された者は「地獄行き」となる。
 この秘密を知った舞は彼らに捕まり、地下にあるトラップだらけのダンジョンをさまようこととなるのだが…」

・「コアラが見ている」('99「月刊ホラーM10月号」初出)
「由香利のもとに届いた荷物。
 差出人は不明で、中にはコアラのぬいぐるみが入っていた。
 以来、彼女のもとにはストーカーめいた電話がかかってくるようになる。
 彼氏にぬいぐるみを始末してもらおうとするが、彼は何者かに重傷を負わされ、ぬいぐるみは彼女のもとに戻って来る。
 切羽詰まった由香利は、彼女以前にそのぬいぐるみに付きまとわれていた女生徒から話を聞き出す。
 意志を持ったぬいぐるみにまつわる過去とは…?」

・「水が誘う」('99「オール怪談第11号」初出)
「全く泳げない女子生徒の宮島。
 彼女はシャワー室で片桐まゆみという少女と出会い、夜のプールで泳ぐ練習をする約束をする。
 しかし、クラスメート達は誰も片桐まゆみの事を知らない。
 午後九時、宮島は夜の学校で片桐まゆみと落ち合い、プールへと向かうのだが…」

・「地獄のガチャガチャ」('99「ザ・ホラー6月号」初出)
「小学生達の間で囁かれる、地獄のガチャガチャの噂。
 それは、町のどこか目立たないところに突然現れ、願い事を叶えるアイテムが入っているという。
 同級生の滝山が「地獄のガチャガチャ」を見つけたと言うので、月島麻美は、彼と石田の三人で、それがある場所を訪れる。
 三人がガチャガチャを全て回して、カプセルの中身を合体させると、不格好なキューピー人形のようなものが出来上がる。
 その人形はいつの間にか姿を消し、彼らの願い事を次々と叶えていくのだが…」

・「蛇童子」('98「ホラーウーピー8月号」初出)
「巨万の富を悪徳のために使う一家。
 彼らの富の源泉は、金庫の中にしまわれている「蛇童子」であった。
 借金のかたに召使いとして働いている少女は、ある日、その金庫が開いているのに気づく。
 金庫の中には「蛇童子」の入っているガラスケースがあり、それは、上半身は怪物めいた赤ん坊で、下半身は蛇という身体をしていた。
 少女がガラスケースを落とした一瞬に、蛇童子は姿を消す。
 言い伝えによると、蛇童子を外に出した時には、今までのつけを払わなくてはならないらしいのだが…」

 個人的なお気に入りは「善田家の地獄」。
 大傑作「地獄家族」(「死の女神」収録)と双璧をなす作品で、千之ナイフ先生の描く「キチガイ一家」、メチャクチャ楽しそうで、ステキ過ぎます。
 あと、「カマキリ女」のキャラは、伊藤潤二先生の「ファッション・モデル」の影響があるのでしょうかね。

2019年3月17日 ページ作成・執筆

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