曽祢まさこ「新・呪いの招待状A ガラスの棘」(2008年6月1日初版第一刷発行)

 カイは呪殺専門の呪術師。
 彼は依頼者の寿命十年と引き換えに、憎い相手を呪殺してくれる。
 さて、今回の依頼は…?

・「血色の聖家族」(2007年「月間ホラーM」5月号)
「氷室亜衣子(中二)の家族は「教師」の一家であった。
 しかし、三歳年上の姉、和美だけは家族の厄介者。
 昔から「わがままで気まぐれでひねくれてて」、何をやっても長続きをしない。
 中学受験を失敗した頃からは荒れ始め、今では家族に向かって暴言や暴力など日常茶飯事。
 だが、家族は皆、自分達だけで解決しようと手をこまねいてばかりで、痺れを切らした亜衣子はカイのもとを訪れる。
 カイによって和美は安楽死するが、その後、亜衣子は姉と家族の真の姿を知る…」

・「一目ぼれは死を招く」(2007年「月間ホラーM」7月号)
「とある高校の二年生、×野あずさ(牡牛座のB型)は、恋人を奪った女を呪殺しようとカイのもとを訪れ、彼に一目惚れ。
 翌日、彼にアタックするも、部屋からは放り出され、命が惜しかったら、近づかないよう警告を受ける。
 にも拘わらず、「クールでミステリアス」と、恋の炎は余計、燃え上がる。
 彼の部屋に通じるエレベーターは封印され、あずさは、カイの部屋があるはずの駅前ビルの中を捜す。
 三階の百均ショップをうろついていた時、彼女は、西洋人形を右腕に抱いた女性を目にする。
 その人形はカイの部屋にあったものであった。
 あずさは女性がカイの恋人ではないかと考え、彼女の後をつけるのだが…」

・「凶殺の宴」(2007年「月間ホラーM」9月号)
「西洋人形のマリーはカラスのカンナと仲良しになる。
 カンナは一人暮らしの老人に育てられていたが、老人が病気で倒れた後、一人立ちする。
 しかし、野生に戻ることもできず、食べ物を見つけることさえ、なかなか大変であった。
 ある日、カンナは、餌につられて、玲一という青年に捕らえられる。
 玲一は、優等生であったが、動物を虐待して喜ぶ、残忍な性格であった。
 カンナは猫と戦わされ、どうにか勝つも、ひどいケガを負う。
 カンナは玲一の妹に助けられ、動物病院で治療を受ける。
 その帰り、彼女に「夢使い」を名乗る青年が声をかけてくる。
 彼の勧めもあり、彼女がカイのもとを訪れると…」

・「タイトロープ」(2007年「月間ホラーM」12月号)
「栗原ひろむ(16歳/身長174p)と美羽(チビでおデブ)は小学校の頃からの凸凹コンビ。
 ひろむはバスケットボールで活躍していたが、無理がたたって、バスケットボールをあきらめる。
 失意のひろむを美羽は心から励まし、これをきっかけに二人の友情は堅固なものとなる。
 高校進学の時は、ひろむの指導による猛勉強で、美羽はひろむと同じ高校に進学。
 二人の友情は変わらず続いていたが、ひろむはある時、美羽が女らしくなっていることに気づく。
 美羽はもてたが、彼女の理想は「ひろむ」のような男性で、告白されても断ってばかり。
 だが、遂に、「ソノダユーヤ」という別の高校の恋人ができる。
 ひろむが安心したのも束の間、ソノダユーヤは女たらしという噂を聞き、また、彼はひろむにもモーションをかけてくる。
 彼女はカイのもとを訪れ、ソノダユーヤの呪殺を依頼。
 その翌日、またカイに訪問者があるが、それは…?」

・「ガラスの棘」(2008年「月間ホラーM」2月号)
「夢使い(寿命と引き換えに依頼人の夢を自由に操る呪術師)は「舞夢」という小さなスナックを開く。
 開店して間もない頃、篠田のゆり(女子高の学生)が猫を追って、店にやって来る。
 彼女は母子家庭で、幼稚園の頃に父親と別れていた。
 そのせいで、彼女は年上の「夢使い」に恋心を抱き、三日とあけず、店にやって来る。
 だが、「夢使い」には好きな人がおり、占い師のサラに恋人のふりをしてもらい、のゆりは失恋。
 そして、このことが彼女の将来に大きな意味を持つこととなる。
 これには、彼女と小学校の頃から家族ぐるみで付き合い、ほとんど姉弟のようなタクミが関わっているのだが…」

2022年4月26日 ページ作成・執筆

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