山本まゆり「リセットシリーズC 僕の宿命」(2002年8月1日初版第1刷発行)

 あなたが人生を後悔した時に現れる堕天使アンリ。
 彼は「人生のセーブ係」で、人生を「リセット」できるチャンスを与えてくれる。
 あなたが選ぶのは「天使の道」?それとも、「悪魔の道」?

・「僕の宿命」(2001年「月刊ホラーM」10月号)
「笹本康太と佐倉頼子は恋人同士。
 二人は高校三年の時、同じクラスで、卒業後、康太が彼女を痴漢から助けたことをきっかけに付き合い始める。
 彼は彼女を助けた時から、彼女を守るために生まれたきたという確信を持っていた。
 ある時、高校時代のクラスメートからクラス会の通知が届く。
 クラス会の幹事は武井宏和で、クラスではひどいいじめを受けていた。
 康太と頼子は出席して、当時のことを謝りたいと考える。
 クラス会当日、康太は急なバイトが入り、一次会に行けなくなる。
 だが、このクラス会は武井宏和が復讐するために企画したものであった。
 会場にガソリンがまかれた後、火がつけられ、頼子を含む31人が焼死する大惨事となる。
 康太が彼女を守れなかったことを悔やむと、彼の前に、アンリが現れる。
 彼は高校時代に戻って、武井宏和のいじめを止めるのだが…」

・「壊れた心」(2002年「月刊ホラーM」3月号)
「演劇部の史喜(ふみき)はボーイッシュな女の子。
 彼女は大道具の拓馬と小学校からの付き合いであったが、逆に親しすぎて、想いを伝えられずにいた。
 ある日、史喜に下級生の紀香という少女が告白してくる。
 以来、彼女は史喜達にまとわりつくようになるが、史喜は紀香の女の子らしさに刺激を受け、拓馬に告白しようと考える。
 それを知った紀香は、演劇部の部室で、拓馬にキスをして、彼にむりやりされたと史喜に訴える。
 これをきっかけに史喜は拓馬と縁を切り、彼とは違う高校に進学する。
 しかし、ある日、彼氏ができた紀香が史喜に本当の事を告白する。
 今更ながら史喜は拓馬と連絡を取り、本心を打ち明けようとするが、彼にはすでに恋人がいた。
 過ぎた日はもとにはもどらないと史喜がセンチになっていると、アンリが彼女の前に現れる。
 彼は、演劇部の部室の事件の時に彼女を戻してくれるが、果たして二人は結ばれるのであろうか…?」

・「止められた時間」(2002年「月刊ホラーM」7月号)
「高沢未央の高校に、中尾秀人という実習生がやって来る。
 彼は、彼女が子供の頃、近所で、一緒によく遊んでいたお兄さんであった。
 しかし、彼の妹のつかさは未央にとってトラウマであった。
 何故なら、幼い未央とつかさは線路の上でどちらがギリギリまで電車が来るのを我慢するという遊びをしていて、つかさが轢死してしまったからである。
 つかさを助けられなかったことを彼女の胸にしまい込み、いまだに轢死する直前の場面を夢に見る。
 秀人と再会したことで、未央と秀人はまた付き合い始める。
 つかさのことは胸が痛いものの、未央は秀人が初恋の人だったことを思い出し、彼と一緒にいると楽しい。
 ある時、秀人は、幼い頃、彼らと共に遊んだ岡部直行という青年と未央を引き合わせる。
 未央は直行のことをすっかり忘れていたが、彼は彼女に昔からご執心で、つかさの事故を目撃していた。
 このことで未央は彼から脅迫され、衝動的に彼を刺殺してしまう。
 途方に暮れる彼女の前に、アンリが現れる。
 リセットした彼女はつかさを助け、四人は頻繁に会い、こまめに連絡を取るようになる。
 未央はつかさと同じ高校に行き、ある時、四人でキャンプに行くことになる。
 楽しいキャンプになるはずであったが、未央の前には意外な陥穽が口を開いていた…」

2022年7月28日 ページ作成・執筆

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