山本まゆり「リセットシリーズG 盲目の恋」(2006年11月1日初版第1刷発行)

 あなたが人生を後悔した時に現れる堕天使アンリ。
 彼は「人生のセーブ係」で、人生を「リセット」できるチャンスを与えてくれる。
 あなたが選ぶのは「天使の道」?それとも、「悪魔の道」?

・「二度目の夏休み」(2005年「月刊ホラーM」8月号)
「善成(19歳)は五歳の時、岡山から祖母(母方)のいる東京に一人で旅行をする。
 そこで、両親が交通事故で亡くなったと聞かされ、以来、ずっと祖母のもとで暮らす。
 ある日、彼は、線路に落ちた女の子を助ける。
 その女の子に、彼は死んだ母親のお腹にいた妹の面影を見る。
 これをきっかけに、彼は岡山に出かけて、両親の墓参りをしようと考えるが、祖母は曖昧なことしか言わない。
 とりあえず、岡山に出かけて、以前住んでいたあたりに出かけると、家中落書きされた廃屋が目につく。
 そこは13〜4年前に旦那が妊婦の奥さんを殺したという噂があった。
 しかも、実家の墓には両親の名前がなく、善成はもう一度祖母を問い詰めるも、決して明かそうとはしない。
 気を紛らわそうと、ゲームをプレイしていると、アンリが現れる。
 善成は五歳の頃に戻り、新幹線には乗らず、家へと戻る。
 すると、両親が、夫の女性問題で口論になっており、刃傷沙汰になる寸前であった。
 彼が戻ったために、殺人事件は起こらず、幸せな日々が戻ったかに思われたが…」

・「消えた記憶」(2006年「月刊ホラーM」1月号)
「友里が目覚めると、そこは病院のベッドであった。
 そばにいた幼馴染の宏紀によると、彼女は交通事故にあったという。
 その事故では、彼氏の市村仁志が亡くなっていた。
 だが、彼女は事故の前から半年間の記憶を失っており、仁志のことを全く覚えていない。
 というのも、彼女が彼と出会ったのは五か月前の夏だからであった。
 彼の写真やメールを見ても、何も思い出せず、彼女は記憶を取り戻したいと強く願う。
 そこにアンリが現れ、彼女を夏の海で彼と出会った時点に戻す。
 友里と仁志はラブラブだったという話だが…」

・「No.1の恐怖」(2006年「月刊ホラーM」6月号)
「高津美央子は負けず嫌いの女の子。
 フィギュアスケートを始めるも、無理をしてして、骨折。
 しかし、そのおかげで、かくれんぼの最中に冷蔵庫に閉じ込められた少女を発見する。
 少女は溝口麗奈という名で、一緒にフィギュアスケートを習うこととなる。
 八年後、麗奈はその才能を一気に開花させていた。
 美央子は常に二番に甘んじなければならず、更に、麗奈の命の恩人としてしか注目されないことも屈辱でしかない。
 ある日、美央子が憧れている佐伯岳人が麗奈を訪ねてくる。
 彼は美央子の幼馴染で、冷蔵庫事件の時にかくれんぼをしていた一人であった。
 岳人と麗奈の仲はどんどん接近していくが、美央子は蚊帳の外。
 スケートはやめようと、ふてくされてゲームをしていると、アンリが現れる。
 美央子は冷蔵庫を発見した時に戻り、今度は麗奈を見殺しにする。
 こうして、彼女は「ナンバー・ワン」へと近づくのだが…」

・「盲目の恋」(2006年「月刊ホラーM」8月号)
「星野香月は16歳の時、交通事故で視力を失う。
 どうにか盲学校までは通うことができるようになったものの、ある日、点字ブロック上の自転車に白杖をひっかけて転倒。
 すると、一人の男性が彼女に声をかけ、救急車を呼んでくれただけでなく、怪我が治るまで、自動車で送り迎えをしてくれる。
 彼の名は御園准一で、仕事は夜勤のガードマン、昼間は地元のボランティアセンターで手伝いをしていた。
 彼の優しい人柄に魅かれ、彼女は彼に告白する。
 唯一心残りなのは、彼の顔を見ることができないことであった。
 そこにアンリが現れ、彼女が交通事故にあう前の時点に戻してくれる。
 事故にあわず、視力を失わなかった彼女は准一に会うため、ボランティアセンターに向かうのだが…」

2022年11月11日 ページ作成・執筆

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