蕪木彩子「スプラッターゾーンA」(1998年7月1日第1刷発行)

・「プロローグ」(1994年「月刊恋愛白書増刊 ホラーパーティ」No.1)
「切り裂かれる肉。
 飛び散る血。
 暴き出される内臓。
 ここは血しぶきの迷宮、スプラッターゾーン…」

・「Zone \ 思い出を売る少女」(1994年「月刊恋愛白書増刊 ホラーパーティ」No.1)
「お小遣い稼ぎに「記憶」を売る少女。
 法律違反であったが、あまりに手軽で、何度も利用してしまう。
 そのために、記憶に空白ができ、記憶を売っていたことが学校にばれてしまう。
 明日までに記憶を取り戻さないと、「特別生産の刑罰」(人工授精で子供を産む刑)に処せられることに。
 彼女は「記憶屋」に行き、代わりとなる記憶を買うのだが…」

・「Zone ] お人形さま」(1994年「月刊恋愛白書増刊 ホラーパーティ」No.1)
「ある田舎の村。
 田中の爺様の家に、孫娘が滞在する。  彼女は学校で問題を起こしたため、ここに連れてこられていた。
 彼女は、村の入口にある、大きなワラ人形を不思議に思う。
 祖父が言うには、これは「お人形さま」というもので、昔、村の守り神を汚したために伝染病が流行ったため、処女を生贄に捧げたことの名残であった。
 娘は「お人形さま」をバカにして、鈴木という少年と共にワラ人形の中を暴く。
 その中にはミイラ化した娘の死体があった。
 乾燥した皮膚片を浴びた直後、鈴木の身体はできもので覆われ、身体中をかきむしって、死亡。
 伝染病は瞬く間に広がり、村人達は祟りを鎮めるために…」

・「Zone XI ママ、大好き!」(「月刊ホラーM」1997年5月号)
「マヨは性悪ないじめっ子。
 彼女は学校でレイ、トモの二人と、ミリという女児をいじめて、金をせびっていた。
 しかし、子煩悩な母親は常に彼女をかばう。
 先生が親を呼び出して、注意しても、母親は全く聞き耳を持たず、それをいいことにマヨは更に図に乗る。
 だが、レイ、トモが学校に出てこなくなる。
 ミリも学校を休んでいるので、マヨは彼女の家を訪ねるのだが…」

・「Zone XII ナタ男」(「月刊ホラーM」1997年5月号)
「悪い子をこらしめると言われるナタ男。
 ある夜、せりの寝床にナタ男が現れる。
 彼女は昼間、友人のきくがお腹をすかしていたので、畑のトマトを盗んでいた。
 あれは人助けだったとナタ男を言いくるめた後、せりにある考えが浮かぶ。
 せりはみずきという少年に想いを寄せており、彼の恋人のすみれが掃除をさぼったことを大袈裟に言い立てる。
 ナタ男はすみれのもとに行き、彼女を惨殺するのだが…」

・「Zone XIII 先生」(「月刊ホラーM」1997年6月号)
「新任の美幸先生は中沢綾乃という女子生徒に強い憎しみを覚える。
 綾乃は教師志望の優等生で、どうしてこんなに憎いのかわからない。
 憎しみはどうしても抑えきれず、ある日、彼女は綾乃に暴力を振るい、ケガをさせてしまう。
 綾乃の母親が学校に来て、美幸は土下座をするが、母親の顔を見て、ある記憶が甦る。
 美幸が小学生の時…」

・「Zone XW クローンアイドル」(「月刊ホラーM」1997年7月号)
「クローンアイドルとはアイドルのクローン人形。
 ナオミの家では、彼女がシンゴ、父親がセイコ、母親がヒデキのクローンアイドルを持っていた。
 当然、アイドルには流行り廃りがあり、シンゴはすっかり時代遅れ。
 そのくせ、シンゴはわがままで自信過剰で、ナオミは最近、彼に嫌気がさしていた。
 ある日、シンゴがナオミを学校に迎えに来て、ナオミは女子達に笑いものにされる。
 帰宅後、彼女はシンゴをバットで殴打。
 その腹いせに、シンゴは、留守の間、乳繰り合っていたヒデキとセイコをブチ殺す。
 クローンの死体は勝手に捨てるわけにいかず、その死体は食用となる。
 だが、その肉はまずく、シンゴに食べさせているうちに、彼はおデブになり…」

・「Zone XX ジャック」(「月刊ホラーM」1997年8月号)
「高校生の智久は、恋人のえりかに捨てられ、怒り心頭であった。
 そんな時、智久の目の前に、彼と瓜二つの男が現れる。
 彼の名はジャックで、パラレル・ワールドからやって来たらしい。
 智久はジャックを利用して、えりかに復讐を企てる。
 だが、ジャックの正体は…?」

・「Zone XY お願いくじ」(「月刊ホラーM」1997年9月号)
「宝くじのように売られる「お願いくじ」。
 これに当たると、一つだけ願いが叶えられる。
 ミドリは「お願いくじ」を当て、野球部のジャンが彼女を好きになるよう願う。
 これで二人は両想いになれたかと思いきや、常に想われていると、それはそれで鬱陶しい。
 彼女のジャンへの熱が冷めかけてきた頃、いつも彼女に付きまとってきたトシのことが気になり始める。
 ジャンに隠れて、彼女はトシと付き合うようになるのだが…」

2022年11月25・26日 ページ作成・執筆

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