曽祢まさこ「白雪人形」(2015年3月1日初版第一刷発行)
収録作品
・「白雪人形」(「ほんとうに怖い童話 2014年7月号」(2014年5月17日発行))
「王の二度目の妃、ソフィアに女の子が産まれ、ビオラ姫と名付けられる。
王様も、前の妃が産んだ兄もビオラに夢中になるが、実の母親のソフィアだけはビオラに冷たく接する。
ビオラが15歳の時、彼女は結婚することになる。
相手はE国のセザール王で、彼の母親は、ソフィアの遠縁のアントニアであった。
セザール王には良くない噂が付きまとっていたが、ソフィアによる口添えで決定する。
ビオラは花嫁としてE国を訪れ、幸せを掴むかと思われた。
しかし、夫のセザール王は、噂に違わない、悪辣無法な冷血漢であった。
また、姑に当たるアントニアも、息子に負けず劣らずの、冷酷無慈悲な女であった。
地獄のような日々を送るうちに、ビオラは感情を閉ざし、人形のように何も感じなくなる…」
・「腹心の友 〜カラスとにんじん〜」(「ほんとうに怖い童話 2014年9月号」(2014年7月17日発行))
「赤毛のアン」の物語を、登場人物のダイアナ・バーリーの視点から描いたものらしいのですが、「赤毛のアン」を未読ですので、詳しいことはわかりません。
んにしても、巻末の作品解説での、曽祢まさこ先生の「赤毛のアン」評はカラい!! カラい!!
そんなところも、ステキです。
・「呪われた屋敷」(「まんがグリム童話 2014年3月号」(2014年1月29日発行))
「17歳のミリアは、ノア未亡人の屋敷に奉公することとなる。
ノア未亡人の夫は、あくどい手段で財産を成した強欲で冷酷な男であったが、ある冬の日、酔っ払って、川に落ち、溺死。
夫にふさわしく、ノア未亡人も根性曲がりのヒステリーであった。
また、三人の息子も、それぞれ一癖も二癖もある連中ぞろい。
長男のジェリーは牧場のことしか頭にない乱暴者、次男のジェイムズは女癖の悪い、軟派な男、三男のジョンは本ばかり読んでいる変わり者。
ノア未亡人は何故かジェイムズだけを溺愛し、他の二人は完全に無視していた。
そんな状況でも、前向きに働くミリアはまずジョンと親しくなり、次いで、ジェリーとも打ち解けていく。
しかし、因業な血の故か、悲劇が起こるのであった…」
・「薔薇の棺」(「ホラーハウス 1989年2月号」(大陸書房))
「幼少の頃より、茜(あかね)は妹の紫(ゆかり)を心から大切に思っていたが、紫には一つだけ困った癖があった。
それは無意識のうちに、血を求めて、それを飲んでしまうことであった。
吸血鬼のような癖を直させようと、茜は気をつけるものの、どうにも治らない。
また、衝動を抑えようとする、紫の努力も決して実らなかった。
時は流れ、紫が15歳になった時、遂に…」
2016年3月27日 ページ作成・執筆