東田健二「木乃伊系図」(160円)
「大野家の屋敷。
小四郎は、父親が江戸に出かけてから二年の間、小四郎は継母の加代に虐待されていた。
彼はいじめに健気に耐え、夜は竜源からひそかに剣の稽古を受ける。
小四郎の味方は下男の甚平だけで、彼は妻が病気になっても、家に帰らず、小四郎を見守る。
加代は、この大野家を自分の息子の道之助に継がせるため、小四郎には剣の修行を禁じ、道之助にのみ稽古をつけてもらう。
だが、その頃から、加代に奇妙な出来事が起きるようになる。
朝、彼女の足袋の裏に泥がついていて、枕元の短剣が別の場所に落ちている。
小四郎も夜、加代らしき女性が出歩いているのを目撃し、医者を呼んで、診断を仰ぐと、夢遊病とのこと。
このままでは家名に傷がつくと、医者に他言をしないことを誓わせ、夜、加代の様子を見張る。
病気になった加代は、道之助の将来が心配で、夢遊病を装い、小四郎の寝室に行き、彼を殺そうとする。
しかし、小四郎の部屋には道之助が寝ていて、彼を傷つけてしまう。
我が子を傷つけ、加代は錯乱し、底なしの井戸へ身を投げる。
また、加代の夢遊病は甚平が企んだことが判明し、彼も井戸に身を投げる。
家の面目を守るため、小四郎は、継母と甚平の死は絶対に秘密にしなければならない。
小四郎の指導力を発揮して、この困難を越え、一年後、父親が帰宅する。
小四郎は二人の死をいつ打ち明けるか機会を窺うが、父親は江戸に妻と甚平を残してきたと話す。
父親の態度、それに、どこで家の秘密を知ったのか、小四郎には解せぬことばかり。
その夜、小四郎の前に、加代と甚平の幽霊が現れる。
気絶した小四郎は父親に介抱され、大野家の秘密について知らされる。
大野家の忌まわしき秘密とは…?」
「木乃伊系図」というタイトルがおどろおどろしくて、なかなか良い感じ。
でも、東田健二先生の作品なので、やはりイマイチです。
ざっと読むと、話の筋は通っているようですが、細かいところで釈然としないところが多々あります。
ラストには大どんでん返しが用意されてはいるものの、苦しいかも…。
一応、実話とのことですが、真偽のほどは確かでありません。
・備考
カバー貼り付け&痛み。糸綴じあり。前後の見開きのノドに紙テープで補強。前の遊び紙に貸本店のスタンプ。後ろの遊び紙に貸出票の貼り付けあり。
2022年11月27日 ページ作成・執筆