「顔・39」(170円)
・横山まさみち「手」
「巣鴨は、竜神会所属の凄腕のガンマン。
だが、彼は心臓病でぽっくり逝ってしまう。
その四十九日が過ぎた頃、ライバルの風天会が殺し屋を三人も雇ったというニュースが入る。
頭を抱える会長の前に、どんじり子分の三十郎が会長を守ると自信満々。
大風呂敷かと思いきや、三十郎はいつの間にか、プロ級の銃の腕前を身に付けていた。
彼は、風天会の殺し屋三人を一人で倒し、意気揚々と部屋へと引き上げる。
そこに、火葬場で働いていた老人が訪ねてくる。
老人の抱えている箱の中身とは…?」
・桜井昌一「石の下」
「花井は、恋敵の登川の殺害を計画する。
登川をドライブに誘い、途中、精神薄弱の男に絡まれたりするも、山中に到着。
そこで、彼をスコップで刺し殺し、石の下に埋める。
計画通りに彼を疑う者はいなかったが、ある時、登川の友人の杉本という男が訪ねてくる。
彼は、登川と共に、宝くじを購入しており、登川が持っている方が特賞四百万円の当たりであった。
杉本の帰宅後、花井は家探しをするが、宝くじは見つからない。
そこで、死体の上着のポケットにあるのではないかと考え、犯行現場へと戻るのだが…」
・柏原慎太郎「雨の降る夜に…!」
「写真家の風間は、向かいのアパートに住む、絵描きの毛利と親友同士。
ある日、二人は食事に出かけると、毛利は刺身ばかりを食べて、どうも様子が尋常でない。
以来、風間は毛利の部屋に気を配るようになる。
実際、土産に刺身を持って行ったら、怒られたり、夜中に天井裏を引っかきまわしていたりと、おかしな事ばかり。
雨の夜、展覧会の絵の出荷のため、毛利が留守の間に、風間は刺身を部屋に入れておくのだが…」
中表紙に「テレビ以上のミステリィゾーン」と書かれてある通り、「奇妙な味」の作品が三つ、収録されております。
横山まさみち先生、桜井昌一先生と有名な方が描かれておりますが、個人的に気になったのは、柏原慎太郎という漫画家さん。
この方について私は全く知りませんが、「雨の降る夜に…!」は、石井まさみ先生の怪作「アニキサス」を先取りしていて、感慨深かったです。(マイナー過ぎる話題ですね、すんません…。)
・備考
カバー欠。糸綴じあり。p61、ペンによる落書きあり。
2020年9月3日 ページ作成・執筆