犬木加奈子・井出智香恵・他「実録!恐怖カーニバル」(2007年9月12日第1刷発行)

 収録作品

・「首」(昭和63年発行「フレッシュフレンド夏の号」所載)
「色白で、お目めぱっちり、そして、ほっそりと長い首。
 そういう美人の条件を兼ね備えた塚本ルリ子は、無口で大人しい少女であった。
 ルリ子とは正反対のナナコは、ルリ子をかき口説いて、夏のキャンプに誘うのに成功。
 だが、宿営地に向かう途中、ナナコとルリ子は崖から滑落。
 仕方なく、そこへテントを張ることとなる。
 休む前に、ルリ子はナナコに寝顔を見ないように頼む。
 しかし、夜中に目が覚めたナナコは、ナナコの首が胴体から離れているのを目にしてしまう。
 慌ててテントから跳び出したルリ子が目にしたものとは…」

・「かえり道」(昭和62年発行「週刊少女フレンド第24号」所載)
「黄昏時、下校途中の女子高生、ルミ子、活美、修子。
 修子は、この時間に車の事故が最も多い、と話す。
 と言うのも、周囲の明るさと車のライトの明るさが同じで、人の姿が消えて見えるためであった。
 ふとルミ子が気付くと、夜は更け、周りに誰もいない。
 家に帰ろうとするが、道がさっぱりわからず、無人の町をさまよう。
 踏切のところで、ようやく人に出会うが、それは轢死した人間の姿であった…」

・「襖」(「昭和63年発行 フレッシュフレンド秋の号」所載)
「ある団地の母子家庭。(内容より母子家庭と推測。)
 三人目の女の子が産まれてから、母親はヒステリー気味。
 ある夜、長女は、押し入れの襖の隙間に化け物を目にする。
 翌朝、赤ん坊が布団で窒息死して、長女は押し入れの中の化け物の仕業だと確信するのだが…」

・七月みりん「椅子」
「リサイクルショップにあった、赤いクッションを敷いた、籐の椅子。
 一目惚れした、みどりは、ただでその椅子を手に入れる。
 窓際に椅子を設置して、座ってみると、恐ろしく気持ちがいい。
 みどりが夢見心地でいると、椅子が彼女に話しかけてくる…」

・七月みりん「部屋」
「春休みが終わる頃、宮崎さやかの家族は高台にある家に引っ越して来る。
 さやかは転校した小学校で、萩原夏美という少女と仲良くなる。
 実は、さやかの家は以前は夏美の家族が住んでおり、自分の部屋を懐かしがる夏美にさやかは同情する。
 だが、夏美は、さやかの部屋を自分が住んでいた頃と同じようにすることに執着するようになり…」

・杉野BEAT「本当にあった!病院ホラー体験その1」
「看護学生の若い女性は、男の霊に憑りつかれる。
 男の霊は、その女性だけでなく、他の看護婦さんにもちょっかいを出しまくる。
 頭に来た看護婦達は、霊のプロファイリングをして、その正体を突き止めるが…」

・杉野BEAT「本当にあった!病院ホラー体験その2」
「ある病院にK子という厄介な患者がいた。
 彼女は担当医に惚れて、我儘し放題、更に、担当医の恋人だった看護婦を目の敵にする。
 K子は重病で、危篤の際、恋敵の看護婦を襲おうとするが、結局、息を引き取る。
 以来、看護婦の周りに、K子の霊が現れ、担当医との仲を引き裂こうとする…」

・杉野BEAT「本当にあった!病院ホラー体験その3」
「かおりの彼氏はオートバイ事故で骨折し、入院。
 かおりは仕事で見舞いもなかなかいけず、二人の共通の友人、K子に見舞いを頼む。
 だが、K子は彼氏の病室に入りびたるようになり…」

・佐々木慶子「あや子がくる…」
「両親の転勤に伴い、明子はアパートに部屋を借りて、一人暮らしを始める。
 一人暮らしと言っても、明子には、七歳の頃、亡くなった双子の妹、あや子の人形があり、決して寂しくはない。
 しかし、その部屋に越して以来、奇怪なことが立て続けに起こる。
 実は、部屋の持ち主の女性は電車に跳び込み自殺をしており、明子はその事故の目撃者であった。
 明子の身に地縛霊達の魔手が伸びる…」

・青木智子「呪いの肖像画」
「好きな男子生徒に頼まれ、絵のモデルになっている女子生徒。
 彼女は、両想いになれるよう、絵におまじないをかける。
 が、彼女は交通事故死してしまい、絵に魂が宿ってしまう。
 キャンバスから離れた彼女の絵は、近くにいた人間に張り付き、好きな男子生徒のもとに向かう…」

・「ホントーにあったアイドルたちのキョーフ体験」(文章)
「小向美奈子編 その1 黒い影との遭遇」
 高熱を出して、寝込んでいる時に黒い影に襲われる。黒い影の正体とは…?
「小向美奈子編 その2 ラップ現象が起こる部屋」
 友人のA子が引っ越した部屋は異様な雰囲気が充満していた。霊感に欠けたA子はその部屋に住み続けるうちに…。
「矢吹春奈編 天窓をのぞく女の霊」
 小学生の頃、祖母の家の風呂で、天井の明り取りの窓に髪の長い女の霊が張り付いているのを目にする。彼女と姉は、大人達を呼ぶが…。

・井出智香恵「ふりむけば地獄」
「野崎まゆ里は去年、自分のいたずらが、ボーイフレンドの藤田新司の事故死を招いたことへの罪悪感に苛まされる。
 自殺を考える彼女は、リーダーのシロウと中心に、受験に失敗した佐川陸雄、いじめに苦しむ天野純子と自殺クラブを結成。
 彼らは自分達の自殺方法について論議し、冬、F山の山小屋で凍死による自殺する計画を立てる。
 だが、リーダーのシロウは山小屋に現れず、代わりにシロウの使いを名乗るモンスターが現れる。
 モンスターは三人を地獄に案内し、自殺者の霊がどのような運命を辿るか、目の当たりにさせる…」

・永行古林「子供たちの夕暮れ」
「一人、児童公園のベンチでたたずむ桐子。
 彼女は親友と大喧嘩をしたことを後悔しつつ、子供達を眺める。
 すると、藤という名の女の子が桐子の前に現れ、遊ぼうと誘う。
 藤はどこか奇妙なところがある少女ではあったが、二人が遊んでいるうちに日が暮れ…」

・御茶漬海苔「人蜘蛛」(「ハロウィン」1986年頃)
「ブラコンの少女、静香。静香は、兄の恋人、美晴が憎くてたまらない。
 その地方では、人蜘蛛の言い伝えがあり、人に卵を植え付けるという。
 静香は美晴を家に招き、人蜘蛛避けのお札を剥がした自分の部屋に泊める。
 その夜…」

・御茶漬海苔「古井戸」
「指輪を取ってこいと、いじめられっ子の少女を校舎裏の古井戸に突き落とした少女。
 だが、いじめられっ子の少女はどのようにしてか再び教室に現れる…」

・御茶漬海苔「204号室」
「あるマンションに引っ越してきた、OLの女性。
 彼女の上の部屋、204号室に住む女性はかなり様子がおかしい。
 水漏れをきっかけに、彼女は204号室を訪ねるのだが、そこで目にしたものとは…」

2018年5月13日 ページ作成
2018年6月11日 執筆

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