呪みちる「物凄き人喰い花の怪/倒れるマネキン人形」(2024年8月10日発行)

 収録作品

・「物凄き人喰い花の怪(描きおろし)
「山本中学校の修学旅行。
 最終目的地は阿鼻温泉で、ここには温泉の温熱を利用した熱帯植物園があった。
 カズミたち女子生徒四人はわざとルートから外れ、立入禁止区域に入る。
 バスガイドの落としたパンフレットによると、ここには「物凄き人喰い花」があるという。
 四人が進むと、とてもいい匂いが漂ってきて、その方向に向かうと、巨大な閉じた花があり、匂いは花の中から発していた。
 その時、バスガイドが血相を変えて走ってきて、花に触らないよう注意する。
 これこそが「物凄き人喰い花」であった。
 その夜、グループのリーダー、カズミは植物の実を記念に持って帰ろうと提案する。
 深夜二時、カズミたちは寝室を脱け出し、未知子だけは一人残る。
 だが、彼女は心変わりをし、植物園に向かうのだが…」

・「倒れるマネキン人形」(「まんがグリム童話」(ぶんか社)2008年7月号)
「吉田よし子は大王百貨店の新人アパレル販売員。
 彼女の担当する売り場には安定の悪い女性マネキン人形があったが、それが縁で星野という老婆が彼女の最初の客となる。
 星野は紫のスーツに八角形のサングラスという格好で、ファッションモデルをしている娘のために洋服を幾つも買っていた。
 ある日、星野が買い物に来るが、あのマネキン人形が何もしていないのに倒れる。
 このマネキンは今の社長の山本により「常に店頭に置きつづけること」を厳命されていたが、足がすぐに外れ、どうにもならない。
 よし子はこの責任を全て押し付けられ、百貨店を早退するが、帰り道で星野と出会う。
 星野は自分が経営するバーによし子を誘い、そこでよし子はマネキンの秘密を知るのだが…」

 2024年夏の大まん祭で販売された同人誌です。
 今回は過去の再録だけでなく、描きおろしとカップリングなのが嬉しいところです。
 作品に関しては、個人的には「倒れるマネキン人形」が印象的でした。
 ネタばれになってしまいそうで怖いのですが、私のトラウマである「※※※K」を彷彿させるコマがあって、なかなかしんどいものがありました。(注1)
 でも、何回読んでも怖くて、素晴らしい作品だと思います。

・注1
 マネキン人形というものはトラウマ度が高いのですが、個人的に記憶に刷り込まれているのは、ホラー映画の「マニアック」と「アクエリアス」(フクロウ男がマネキンの首をはねるシーン。ちなみに、首をはねたマネキンに男の生首をそえるのですが、よく見ると、生首がビミョ〜に動いているのが味わい深いです。)。
 また、マネキンを扱った怪奇マンガは昔からあるようで、私の知る範囲では浜慎二先生「だれかたすけて」(「オール怪談・41」)があります。
 まあ、海外ホラーの翻案かもしれませんが…。

2024年9月23日 ページ作成・執筆

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