呪みちる「カナレとジュラ」(発行年月日不明)

「都会から遠く離れた山間にある「時計屋敷」。
 ここには世界的な時計職人のクレモン春原と娘の香流(かなれ)、自動人形のジュラが住んでいた。
 香流は幼い頃から病弱で、クレモン春原は香流が寂しくないようジュラを作る。
 娘は大喜びで、クレモン春原はその後もジュラを改造し続け、その動きは本物の人間のようであった。
 ある日、クレモン春原は二日留守にすることとなり、森という女性を住み込みの家庭教師として雇う。
 彼の留守の間、森は香流がジュラを恐れていることに気付く。
 香流はジュラを「バケモノ」と呼び、父親を独り占めするため、彼女の命を狙っていると訴える。
 だが、森は香流の言動に違和感を抱き、クレモン春原の帰宅後、そのことを報告するのだが…」

 2000年「ミステリー・ラ・コミック」(笠倉出版)に掲載された作品で、呪みちる先生のデビュー作「時計屋敷の少女」の前日譚にあたります。
 呪先生によると「完全な失敗作」とのことで、かなり修正がなされているようですが、これはこれでいいのではないでしょうか?(ラスト付近、ジュラがフリーキーに変身するところがステキ。)
 また、巻末の解説では、呪先生の「人形や人造人間、機械」への偏愛、漫画家としてデビューに至った経緯が滔々と述べられていて、作品理解にとても参考になりました。
 これだけでも十分、値段のもとが取れます!!

2023年12月17・18日 ページ作成・執筆

同人誌・リストに戻る

メインページに戻る