呪みちる「燃える黄金人間・霊道ハイウェイ+人面犬の話」(2023年5月3日発行)

 収録作品

・「燃える黄金人間」(「まんがグリム童話」2002年12月号)
「奇怪な焼死事件が相次いで発生する。
 火の気がないのに急に人体から発火し、この火は燃え尽きるまで決して消えることがない。
 しかも、この炎による類焼・延焼は全くなかった。
 被害者は皆、黒沼組の組員で、組長の黒沼剛三はひとまず田舎に身を隠すことにする。
 しかし、移動の途中、山道で運転手が発火。
 黒沼は慌てて車から跳び下りると、彼の前に全身に金粉を塗った男が現れる。
 男の名は「ゴールディン・陳」。
 陳は黒沼組専属芸能プロが雇った香港人ダンサーで、妻のベティ・マンジーノと共に黒沼のキャバレーの「金粉ショー」に出演していた。
 だが、その正体は…?
 そして、彼が黒沼組に復讐する理由とは…?」

・「霊道ハイウェイ」(描きおろし)
「山田家(父・よしお/母・良美/長女・よし子)は一軒家に引越しをする。
 だが、この家では深夜二時、幽霊の大群が現れ、家の中を通り過ぎるという怪奇現象が毎晩起こる。
 どうやら「霊道」が家の中を通っているらしく、お祓いをしても切りがない。
 ある夜、怪奇現象が収まった後、より子は窓の外に奇妙なものを目にする。
 それはぼろきれをまとい、顔の部分は巨大な目の形をしており、両手を広げて、家の前の電信柱の所に立っていた。
 よし子が毎晩、観察すると、それが現われ目を開くと幽霊が出現し、目を閉じると幽霊は消え、それも姿を消す。
 よし子は両親にそれを追っ払えば怪奇現象が止むのではないかと相談する。
 父親はとりあえず電柱に神社のお札と盛り塩をしてみるのだが…」

・「人面犬の話」(描きおろし)
「みどりは小学校低学年の時、大学の病院に一時期入院する。
 ある夜、同じ病室のよしえという少女と肝試しをして、二人は「人間犬」の標本を目にする。
 数日後、よしえは容態が急変して死亡。
 更に、その夜、みどりは看護婦に黒服・黒眼鏡の男たちのもとに連れていかれ、男たちに折檻された後、「犬人間」にここでのことは決して他言しないよう約束させられる。
 退院後、みどりは犬人間のことを話したら殺されると怯えつつ過ごし、人を避けるようになる。
 ある時、みどりは父親に人間犬のことについて話してしまうが、その直後にタクシー運転手だった父親は事故で死亡。
 その葬式にはあの黒服の男たちが参列していた。
 以来、みどりと母親は家を出て、引越しを繰り返し、みどりは中学卒業後、工場に就職する。
 そこで一郎という青年と出会い結婚。
 結婚後すぐに母親は癌で亡くなるが、その夜…」

 どの作品も素晴らしいですが、個人的には「霊道ハイウェイ」がベスト。
 奇想にスラップスティックな感性が加わって、実に私好みな仕上がりです。
 また、「燃える黄金人間」はバカバカしさ炸裂な内容で実に楽しいです。
 「人体発火現象」と「金粉ショー」を掛け合わせるなんて、何て想像力なんだろう!!

2025年12月23日 ページ作成・執筆

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