好美のぼる「呪いをあなたに」(2000年8月発行)
収録作品
・「呪いをあなたに」(東京漫画出版社)
「ハイキングに出かけた三人の少女、スミ子、マリ子、ルミ子。
彼女達は、きこりの警告にも関わらず、一本松の立つ丘へ向かう。
そこで彼女達は突如、気絶し、気が付くと、無人の町にいた。
町では全てが紛い物で、しかも、巨大な虫に突然襲われる。
戸惑う三人の前に、謎の人物が現れ、スミ子、マリ子、ルミ子には各自、油虫、テントウムシ、蚊の呪いがかかっていると告げる。
彼女達にはそれらの虫にまつわる、恐ろしい過去があった。
三人は様々な方法で脱出を試みるのだが…。
彼女達の閉じ込められた町の正体とは…?」
・姿英介・名義「ドケチ! 大人の玩具の章」(「漫画エロス」)
「終戦直後の混乱期の大阪。
住吉大吉は北浜屋の若旦那と喧嘩してとび出した後、「大人のおもちゃ」で一稼ぎをもくろむ…」
・唐沢俊一・解説「好美作品にハマるということ」
不条理ホラー(なのか?)の大傑作「呪いをあなたに」は、まんだらけによる復刻「耳売り少女/呪いのあなたに」でも読めますが、値が張りますので、安価で読みたい方にはこちらでもいけないことはないです。
基本、全てのページは収録されておりますが(巻頭のカラーページ以外?)、製本の都合か、一部、コマが並び替えられております。
欄外のツッコミは今となっては邪魔なだけですが、姿英介・名義のレアなエロ漫画も併録されているので、これで帳消しになる…かも…?
唐沢俊一氏の解説は好美のぼる・愛に溢れ、上から目線は相変わらず、鼻につきますが、それでも、説得力に富んでおります。
今から二十年も前に「呪いをあなたに」の価値を見抜き、復刻した慧眼には素直に頭が下がります。
2022年10月10日 ページ作成・執筆