西たけろう「妖怪博士/双頭の気狂女」(2026年6月27日発行)

 収録作品

・大津武三郎・名義「妖怪博士」(1968年頃?/東京トップ社)
「大東病院の第一病棟にある秘密の地下研究室。
 妖怪博士、リンボレロンが五十年の眠りから覚める。
 リンボレロン博士は世界的にも名高い妖怪病の専門医であった。
 若い医者の一条宏はここ最近、奇妙な患者が多く、北部教授を通して、リンボレロン博士に相談する。
 その患者の夢にはのっぺらぼうの化物が首を持って現れ、その首を知らないかと尋ねてくると言う。
 そして、同じ夢を毎晩見た後、患者は皆、行方不明になっていた。
 リンボレロン博士は「妖怪ちがえ首」の仕業と見抜き、一条宏をおとりにして妖怪をおびき出そうとする。
 博士の計画通りに、一条はちがえ首に取り憑かれ、ちがえ首の住処を突き止めるのだが…」

・「双頭の気狂女」(曙出版)
「黛未知は父親の遺産により億万長者になった娘。
 夏、彼女は人里離れた海辺の別荘に婚約者の一条宏、友人の牧とアキ子と共に滞在する。
 ある日、未知は海辺に散歩に出たきり、行方がわからなくなる。
 宏は海辺に捜しに行くが、未知の姿はなく、別荘に戻った時、白石奈津江という天文学学科の大学生に声をかけられる。
 今夜、この沖に落ちる隕石の観測のために、別荘に一晩、泊めてほしいとの頼みであった。
 夜になっても未知は戻らず、宏たちは未知の唯一の肉親である左一角を呼び、もう一度、海辺に未知を捜しに向かう。
 白石奈津江も彼らに同行し、海辺に天体望遠鏡をセットし、見事、隕石の落下の撮影に成功。
 一方、宏たちは未知の靴や血の付いたナイフを発見する。
 未知の行方不明事件は大きく報道され、宏たちには殺人の容疑がかけられたものの、証拠不十分のため、宏たちは皆、釈放される。
 それから三年、左一角は白石奈津江と結婚していた。
 だが、奈津江は天文学とはきっぱり縁を切り、左はそれが不思議で仕方がない。
 冬のある日、左・宏・牧&アキ子(夫婦)に黛未知から手紙が届く。
 手紙によると、12月10日に海辺の別荘でパーティを開くという。
 彼らが別荘を訪れると、黛未知が彼らを待っていた。  だが、言っていることがとりとめもなく、また、手紙を出したのも彼女ではないという。
 とりあえず、その夜は別荘に泊まることになるのだが、それが連続殺人の始まりであった。
 何が黛未知に起こったのか…?」

 今回の怪奇貸本奇談シリーズは西たけろう先生のカルト作二本立てです。
 両方とも、読んだことがなく、この本を入手するため、大宮まで行こうかと考えていたぐらいですが、通販で手に入りました。(感謝!!)
 「妖怪博士」は西たけろう版妖怪漫画で(水木しげる先生へのオマージュあり?)、デタラメかましまくった設定が実にへっぽこで、西先生の味のある絵とのギャップが脳天逆落としの衝撃です。
 ただ、助手の白霊女(首から下が骸骨というナイス・レディ)の活躍がさほど、なかったのが残念…。
 一方の「双頭の気狂女」は個人的に「妖怪博士」よりも面白かったです。
 細かい部分でボロの多い作品ではあるものの、孤立した屋敷での不可解な連続殺人という展開はかなりスリリングで、ラストも衝撃的!!
 不穏&ミステリアスな雰囲気もいまだ魅力的で、怪奇貸本マンガのジャンルでは独特の地位を占める作品でありましょう。
 斯様に貸本マンガの奥深さを伝える作品を二本、収録しておりますが、一般的にあまり流通しなかった本であるため、価格に若干、プレミアがついてはおります。
 しかし、これから先、値下がりすることはないように思えますので、興味のある方は今のうちに手に入れるようお勧めしておきます。
 あと、ささやかな疑問なのですが、今回、付録ペーパーは付いていなかったのでしょうか?(正直、残念です。)

2026年7月24日 ページ作成・執筆

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