凡天太郎とナギサプロ&製作:ナギサプロ(竹内寛行)「生きている霊魂」
(2017年5月4日第1刷発行)

 収録作品

・凡天太郎/竹内寛(寛行)・紹介文

・凡天太郎と渚プロ「生きている霊魂」
「新九郎は処刑された反逆者の息子。
 青年になった彼は蘭風という医師に師事する。
 蘭風は「肉体が死んでも魂が生きている限りふたたび生き返る」という説を唱え、それを実証する。
 成功の祝い酒を買いに新九郎は甲州屋に行くと、無頼漢たちが甲州屋の主人とその娘に無礼を働くのに遭遇する。
 甲州屋の娘は顔に醜いアザがあったが、新九郎と恋仲であった。
 新九郎は無頼漢たちを追い払うも、甲州屋の主人殺しの冤罪を着せられ…」

・「続・田中多美子さん(凡天太郎夫人)にナギサプロ時代のことを聞く」

・「仮面の天使」について
 集英社「週刊明星」1968年9月29日号〜10月20日号にて四話連載された作品の各話ダイジェスト。

・凡天太郎&ナギサプロ「仮面の天使・第二話 妖木」
「酔っ払い運転をする男性。
 彼の車は道のそばに立っている木にぶつかる。
 その衝撃で娘が倒れるが、彼は娘の美しさに魅了される。
 彼と娘はドライブに出かけるが、娘の正体は…?」

・ナギサプロ・製作/竹内寛・画「妖説 紅しぐれ」
「高利貸しの按摩、葛の市。
 彼は五十両という金と引き換えに矢吹源十郎という侍の愛人を抱こうとする。
 だが、源十郎が葛の市にあてがったのは商売女であった。
 葛の市は臭いでだまされたことに気付くも、源十郎と愛人は彼を散々愚弄し、彼の前で抱き合う。
 葛の市の女に対する執念は強く、彼は自分の命をかけて彼女を抱こうとするのだった…」

・「番外地劇画・凡天太郎と竹内寛行の魅力」

 「凡天劇画会」により発行された「番外地劇画傑作集その三 ナギサプロ残酷怪奇劇画短編集」です。
 「ナギサプロ」は「凡天太郎プロダクションがごく初期に使用していた名義」で、その当時の残酷怪奇短編を三編とナギサプロに関するインタビュー等が収録されております。
 薄い本ではありますが、内容は非常に濃く、相変わらず「本気」を感じさせます。
 個人的に興味深かったのは「生きている霊魂」。
 これって「フランケンシュタイン 死美人の復讐」(注1)にインスパイアされてますよね?
 でも、グログロにアレンジしてあり、復讐の爽快感がさほど感じられないのが流石です…。

・注1
 これを観たのは25年以上も前、梅田堂山で何らかの店舗の地階にあった映画室。(もうなくなっただろうな…)
 ここではめちゃくちゃマイナーな映画を安く観られたが、狭苦しいのとパイプ椅子なので、鑑賞環境はあまりよろしくなかった。
 それでも、印象深い映画がたくさんあり、「フランケンシュタイン 死美人の復讐」もその一つ。
 前半がとにもかくにも泣けます!!
 んで、後半は金髪&グラマー美人の復讐劇です。

2023年5月9日/2025年3月14日 ページ作成・執筆

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