川島のりかず「化けもの赤ちゃん」
(1986年6月16日発行/青123・1988年5月16日/青231)
「ある夜、泉村に突如、化け物が現われ、村の女性を多数乱暴するという事件が起きる。
化け物は村人によって殺されるが、乱暴された女性のうち何人かが妊娠、出産する。
が、産まれてきた子供は、化け物の血を受け継ぎ、異様な姿をしていた。
村は、化け物の血をひく子供を育てるかどうかで割れるが、とりあえずは育てていくことになる。
しかし、子供達を敵視するグループと、彼らを大切に育てようとするグループの間で、溝が広がっていく…」
恐らく、川島のりかず先生のヒバリ・ヒット・コミックにおける第十七冊目だと思います。
ジョン・ウィンダム「呪われた村」(この映画化が「光る眼」)を思わせる始まり方をしますが、全く違う展開を取ります。
ホラーSFかと思いきや、そのような要素はほとんどなく、「異なるものとの共存」に関するシリアスなテーマが全体を貫いており、読後感はかなり重いです。
内容的にはいい作品だとは思いますが、田舎の描写が何とも…。
男連中は皆、畑仕事だし、化け物と戦う時の武器は銃や鎌はともかくとして、竹槍って、太平洋戦争の時からの伝統なんでしょうか?
平成27年1月12日 ページ作成・執筆