杉戸光史「吸血紅こうもり」(1983年8月6日発行/青173)

「田舎の親戚の家に泊まりに来ていた、さゆり。
 彼女が森の中で撲殺したコウモリは、謎のコウモリ少女、奇理子のペットであった。
 ペットの仇をとるべく、奇理子は、従兄の昭男やおじ夫婦の血を吸って、仲間にして、さゆりを襲わせる。
 奇理子の襲撃をどうにかかわし、さゆりは東京の実家に帰宅。
 しかし、両親も奇理子の毒牙にかかり、さゆりは、人気のない原っぱに連れ出され、奇理子達に包囲される。
 さゆりが窮地に陥った時、猟銃を持った老人が現れるが、彼の正体とは…?
 そして、紅こうもり、奇理子の過去とは…?」

 黒枠本の「怪談紅こうもり」(未入手)をヒバリ・ヒット・コミックスで再刊したものです。
 冒頭、何の前触れもなく、唐突にコウモリが叩き殺されて、呆気にとられますが、ヒバリ・ヒット・コミックスのバージョンではページが削られているのではないかと推測しております。(確認できておりません。)
 ストーリー的には毎度おなじみの「杉戸節」で、まあ、「ご都合主義の連続」です。(それなりにテンポがいいのが救いです。)
 ただ、ヒロインが、助けてくれた山小屋の老人を見殺しにしたり、紅こうもりの秘密を知る老博士が実はヤバい人物だったりと、妙なところでひっかかるところがちらほら。
 一応は「正統派」に分類される杉戸光史先生ですが、やはり、ひばり書房&太陽プロ出身…一筋縄ではいきません。

2019年7月5日 ページ作成・執筆

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