杉戸光史
「死少女のたより」(1982年2月16日発行/黄155)
「死霊のたたり 双子少女」(1986年1月6日発行/青106)
「友栄(ともえ)は、ボーイフレンドの佐々木努と共に、天神さまに出かける。
努がポラロイドカメラで友栄を撮ると、できた写真には奇怪な女性の顔が写っていた。
心霊写真と興奮する努の前に、見知らぬ少女が現れ、二度と女の顔は写らないと言う。
彼女は、次に撮る写真には車が写ると告げて、その場を去るが、彼女の予言通り、写真にはありもしないベンツが写っていた。
後日、友栄は、あるお邸の前で、例のベンツを目にする。
その車に乗っていたのは、天神さまで出会った少女であったが、本人ではなかった。
実は、彼女は一卵性双生児の姉の方で、姉は早乙女美代子、妹は百恵といい、百恵の方は、念写を得意とする超能力者であった。
また、一卵性双生児のためか、姉妹は、肉体が離れていても、お互いのことがわかるという。
美代子の話に興味を持ち、友栄は美代子に「念力通信」を頼み、百恵が今、何をしているのか、知ろうとする。
しかし、その時ちょうど、百恵はスキーの最中に雪崩に飲み込まれており、美代子は失神し、騒動となる。
百恵の葬儀が終わり、落ち着いた頃、友栄は努と共に美代子を訪ねる。
というのも、友栄の枕元に立った、百恵の霊が、奇怪な悪霊に襲われるという夢を見たからであった。
憔悴した様子の美代子は、友栄達に、ある写真を見せる。
それは、百恵の霊が念写したものであり、写真には友栄の夢に出て来た悪霊が写っていた。
美代子は、百恵は霊界で悪霊につきまとわれており、その霊を供養して欲しいと、この写真を念写したと話す。
だが、両親は美代子の話を信じてくれず、美代子は写真の悪霊に夜な夜な苦しめられるようになる。
そこで、友栄と努は、美代子から写真を預かり、霊能者のもとに持って行こうとするが、今度は彼らが悪霊の標的となる…」
「ひとだま少女」(ひばり書房黒枠)と同じく、つのだじろう先生のオカルト漫画に多大な影響を受けたと思しき作品です。
「念写」「霊界通信」「悪霊」といった、それっぽい要素を盛り込んではおりますが、やはり、何かが違う印象です。(その「何か」を言葉で表現するのが難しい…。)
「ひばり書房HC以降」には、「うしろの百太郎」の船幽霊編の水死者がトレースされていると書かれておりますが、正確にはは「磯幽霊怪異変」と「一太郎が死んだ!」の回のように思います。(ただし、他の回からもトレースをしている可能性は大。)
2019年7月19日 ページ作成・執筆