古賀新一「恐怖のくちばし」(1984年1月6日発行/下127・1985年7月16日発行 1987年4月16日発行/下41)
「陰気で病弱な、クラスの嫌われ者のさゆり。
さゆりは祖母と二人暮らしで、決して人を家に寄せつけようとしない。
そんな彼女に唯一人、温かく接するのが、紀代であった。
ある日、紀代は、さゆりの誕生日会に招かれ、彼女の家に一泊することとなる。
夜中、彼女は、奇妙な鳴き声に目を覚まし、庭に出る。
そこにはカラス小屋があり、中には大量のカラスとともに、地面には白骨死体が転がっていた。
紀代はこの秘密をかたくなに守っていたが、寝言で喋っているのを母親に聞かれ、それが皆に伝わってしまう。
家にあるカラス小屋のことをクラスメート達にからかわれ、さゆりは紀代に裏切られたとショックを受ける。
誤解を解こうと、紀代はさゆりを追いかけるが、さゆりは壊れた橋から転落死してしまう。
葬式の日、さゆりの死に責任を感じ、遺影の前で涙を流す紀代。
その後ろ姿を見つめながら、さゆりの祖母は、さゆりを死に追いやった紀代達に復讐することを決意する。
紀代は、さゆりの家を辞去するが、忘れ物を思い出し、引き返す。
すると、さゆりの祖母が、カラス小屋にさゆりの死体を運ぶ場面に遭遇する。
老婆はさゆりの死体をカラス小屋の地面に横たえると、たちまち、さゆりの死体はカラスの餌食となる。
そして、さゆりと老婆の怨念のこもったカラスの群れが、紀代やさゆりをいじめたクラスメート達に様々な方法で襲いかかるのだった…」
表紙に記載はありませんが、1960年代後半に週刊マーガレットで連載されたものでありましょう。(場面がかぶるところが幾つかあります。)
当時の古賀新一先生の典型的な作風でして、息つく暇のないショック描写の連続です。
基本はヒッチコックの「鳥」なのでしょうが、相変わらずショック描写のバリエーションの豊かさは流石。
病院で大勢の看護婦から注射されそうになったり、血のりに襲われたり、卵の中の未成熟な雛のような化け物に襲われたり、なかなか楽しめます。
ちなみに、ひばり書房黒枠からの再録であります。
2016年10月20日 ページ作成・執筆