三智伸太郎「恐怖!!人形に殺される」
(1986年1月16日発行/青105・1988年8月16日/青219)
「小学校六年生の志垣由希は、正男、次郎、和子の三人に凄惨ないじめを受けていた。
身体にケガを負わされるのも日常茶飯事であったが、父親は、由起自身の問題と取り合ってはくれず、遂には、いじめられて帰ってきたら、家には入れないとまで言われる。
今日もいじめられ、家にも帰れず、途方に暮れていたところ、彼女は神社で、かわいい人形を見つける。
不思議なことに、その人形を抱いていたら、身体の傷は消え、人形へと移っていた。
夜、由希は、いじめっ子の正男といじめ返す夢を見る。
翌日、正男が大怪我をしたことを知るが、それは夢で見た通りであった。
由希は、夢の中で次々といじめっ子達に復讐していくのだが…」
個人的に、かなり面白かったです。
川島のりかず先生の作品を彷彿させる内容で、陰鬱かつ後味が悪いです。
また、「人形による復讐」という、ありきたりな設定では物足りないと考えたのか、「カラスのUFO」とか妙なギミックを盛り込んでいるところにも好感が持てます(が、ストーリー的には全く無意味です…)。
ただ、肝心の人形がちっとも可愛くないのが、評価の分かれ目だろうと思います。
若干、「AKIRA」が入ってまして、いくら寂しいからって、こんなもん、家に持って帰るかな〜。
あと、ヒロインの父親は最低です。
「いじめられたら、やり返せ」という言葉は、人によっては、強くなっていくかもしれませんが、大抵は、自身のストレスはもっと弱い者に向けられ、負の連鎖にしかつながらないように思います。(これに対しては、各人それぞれの意見があるでしょう。)
2020年11月27日 ページ作成・執筆