さがみゆき「恐怖の人形寺」(1987年10月6日発行/黒202)
「蝋人形の展覧会に出かけた、里見ひろしと吉川純子の二人。
怪奇ものの蝋人形を展示している会場で、ひろしは一人の女性に抱き着かれる。
恐怖に慄く女性の指差す先には、ヨハネの首が乗る皿を片手に掲げ持つサロメの人形があり、その人形の中からは蛆虫がわき出ていた。
中には人の死体が入っており、死体は、発見者である高峰さつきの姉、やよいのものであった。
後日、さつきから電話で呼び出された二人は、彼女のマンションで訪ねると、さつきは部屋で倒れていた。
そして、二人は窓の外にやよいの亡霊を見る。
気絶から回復したさつきは、二人に奇怪な話を語る。
高峰やよいは生前、蝋人形を観賞するのが趣味であった。
やよいとさつきの姉妹は吉野の大峰山にある人形寺を訪ねる。
やよいが寺を訪問した、真の目的は、寺を訪れたまま消息を絶った恋人の行方を探ることにあった。
そこには、日本の妖怪の蝋人形が集められており、和尚が言うには、みな生命が宿っているとのこと。
帰りの便がないので、二人はその寺に泊まることとなるが、その夜、釘の音でやよいは目を覚ます。
音をたどっていくと、丑の刻参りの格好をした女性が、やよいにそっくりな人形の額に釘を打ち込んでいた。
そのまま、やよいは意識を失ってしまい、翌日、さつきに発見されるが、やよいは自分に呪いがかけられていると感じる。
もう一晩、二人は寺に泊まるが、夜中、釘の音に誘われるようにして、やよいは外に歩み出てしまう。
さつきはやよいを追って、墓場へと出るのだが、そこには丑の刻参りの格好をした女性と、額に穴を開けた姉の死体があった…」
完成度云々は別にして、味わい深い作品です。
ラストの妖怪人形達のオンパレード描写のあまりのゲテゲテしさに心踊ります。(岡田あーみん先生の描かれたようなキャラも…)
黒枠からの流用ですが、ラスト付近の、小野田少尉の心霊写真やユリ・ゲラーに関する4ページが削られております。
恐らく、ネタとしては古くなったので、削除したのではないかと推測してます。
平成27年12月10・31日 ページ作成・執筆