なかのゆみ「あっ!私の顔がとけていく」(1987年6月16日発行/青161)

「冬子は、その名の通り、実に陰性な少女。
 彼女は幼馴染の夏子に深い憎悪を抱いていた。
 夏子は金持ちの娘で、頭が良く、器量よし、また、明るい性格で皆から好かれていた。
 また、冬子は、夏子の男友達、谷原徹に惚れていたが、ネクラな性格故、積極的になれない。
 ある休日、夏子は都会の雑踏の中で、黒いローブを身にまとった女性に呼び止められる。
 彼女について、ビルの地下に降りると、扉の向こうは宇宙空間に通じていた。
 そこで、ローブの女性は冬子に、どんな願いでも三つ叶えると告げる。
 その代わり、三年後に、冬子の「もってるものを半分」もらうという条件が付いていた。
 冬子は条件に同意し、取引は成立。
 願い事の一つ目は、夏子が貧乏になること。
 二つ目は、夏子を恐ろしい目にあわせるために、超能力を身に付けること。
 三つ目は、谷原徹と仲良くなること。
 以来、全て、冬子の願った通りとなる。
 超能力を手に入れた冬子は何でも思い通りとなり、皆から賞賛と好意を受けるが、満足からは程遠い。
 一方の夏子は、家の破産等、様々な不幸に見舞われながらも、生来の明るさと優しさは失わなかった。
 また、入院していた精神病院の医師、桑野隆介と恋仲となり、彼は誠心誠意を込めて、夏子を庇護し、支える。
 夏子に対する嫉妬から、冬子は、ことあるごとに、超能力を用いて、彼女への嫌がらせを繰り広げるのだが…」

 冬子の死に様が手塚治虫先生の「ザ・クレーター」(タイトル忘れ/二つの世界の話)と、伊藤潤二先生の傑作「トンネル奇譚」を彷彿させます。
 よくよく考えたら、ちっともフェアな取引ではありませんが、だまされた方も同情できんわな。
 そして、ラスト、黒いローブの女性が再登場して、驚きの結末が待っております。
 ○○にハト麦(ヨクイニン)よりも効くものがあったとは!!
 でも、何故に斯様な回りくどいことをする必要があるのでしょうか?

2018年2月21日 ページ作成・執筆

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