三智伸太郎「恐怖!あした死ぬ私」(1986年9月16日発行/黄136)

「城百合は、暗黒の砂漠を延々と歩くという悪夢を見る。
 夢の中で、彼女は流砂に呑まれ、気が付くと、目の前に奇妙な老人がいた。
 そこで目を覚まし、気分転換に窓を開けると、夜空に巨大な目が浮かび、彼女を見つめていて、ショックを受ける。
 翌日、町中の人達が、彼女と同じ夢を見たことが明らかになる。
 更に、彼女は、悪夢の中で出会った老人と再会する。
 老人は、入り組んだ路地の奥にある店の主人に扮していたが、その正体は死神であった。
 死神は、悪夢の中で、彼女を自分の身代わりに選んだのである。
 店の地下には、ミニチュアの町があり、この町で起こったことは翌日、必ず起こる。
 昨夜、彼女が夜空に見た眼は、ミニチュアの町を覗く、彼女自身の眼であった。
 この町の運命は全て、百合の自由となるが、そんなことを言われても、途方に暮れるばかり。
 ある時、百合は、隕石のような石を拾う。
 だが、うっかり、その石をミニチュアの町に落としてしまう。
 石はスーパーマーケットを押し潰し、犠牲者の中に、彼女の母親がいた。
 彼女はどうにかして母親を救おうとするのだが…」

 「死神」と「ミニチュアの町で起きたことが実際に起きる」と「ハレー彗星」を掛け合わせた意欲作…なのですが、正直、面白味に欠けます。
 原因は恐らく、ダイナミックな内容のわりに、あまりにも淡々としているためでしょう。
 全くと言っていいほど、疾走感や緊張感がない中、わかりにくいストーリーが展開され、つらいものがあります。
 女の子が好みだったら、まだ何とかなったんですが…。

2020年11月24日 ページ作成・執筆

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