日野日出志「地獄小僧」(1979年8月15日発行/HC85・1980年4月1日発行/黄85)

・「字吾久城の暗雲の巻」(1976年「少年キング増刊」)
「字吾久町にある字吾久大学病院。
 そこに勤める円間羅雪は細胞遺伝学の世界的権威であり、彼の祖父が建てた字吾久城は高台から町を見下ろすように立っていた。
 円間羅雪には美しい妻と一人息子の大雄がおり、彼は息子を溺愛していた。
 ある日、一家は家族旅行に出かけるが、対向車線をはみ出してきたトラックが円間家の車に突っ込んでくる。
 その事故で大雄は破片が頭部に入り、手の施しようのないまま、死亡する。
 大雄の死体は先祖代々の墓地に土葬され、両親がその墓の前で嘆いていると、見知らぬ老婆が話しかけてくる。
 老婆は、彼女が手に持っている牙で同じ年頃の少年の首を切り、その血を墓に注ぐと、大雄は必ず生き返ると告げる。
 羅雪は老婆を追い出そうとするが、妻は、大雄が甦るのであればどんな方法でも試すよう夫に懇願する。
 その夜、羅雪は余命いくばくもない少年を墓場にさらってきて、大雄の墓の上でその首を牙で掻き切る。
 すると、老婆の言葉通りに、大雄が生き返って、墓場から這い出てくる。
 だが、それは腐乱した死体であった…」

・「変身の巻」(1976年「少年キング増刊」)
「怪物として復活した大雄。
 羅雪の手術により、頭部から破片を取り出し、彼は中学校に通学できるまでに回復する。
 しかし、彼には気にかかることがあった。
 時々、頭が痛くなり、夜、怖い「地獄の夢」を見る。
 その夢の中では、彼が地獄の鬼になり、町で殺された人々を責め苛んでいるというものであった。
 羅雪は、町で起こっている殺人事件は、怪物と化した大雄の仕業だと気づく。
 また、大雄も事件の犯人は自分ではないかと考え、悩む。
 そんな時、警視庁捜査一課の花水という刑事が字吾久城を訪れる…」

・「円間家の秘密の巻」(1976年「少年キング増刊」)
「大雄の二回目の手術の後、羅雪は土蔵で、頑丈な箱に封印された古文書を発見する。
 それには円間家の恐るべき秘密が記されていた。
 江戸時代、円間家は地方の小藩の大名であった。
 三代目の城主の際、飢饉が起こり、領内で夜な夜な人を襲って、その肉を喰う人狼の噂が広まる。
 やがて人狼と言われる男が捕らえられ、城主の前に連れてこられる。
 城主は彼を打ち首にするのだが…。
 円間家にかけられた呪いとは…?
 そして、大雄の手術は成功したかに見えたのだが…」

・「生まれ変わった怪物の巻」(1976年「少年キング増刊」)
「遂に、大雄が怪物だとわかり、字吾久城に警察の手が伸びる。
 更に、暴徒と化した群衆が字吾久城になだれ込んできて、放火。
 城が火に包まれる中、怪物と化した大雄を追って、羅雪は天守閣の外に出るのだが…」

・「武者幽霊の巻」(1976年「少年キング増刊」)
「転落死した大雄少年の目玉から孵った地獄小僧。
 彼は薄暗いマンホールの中で一人生まれ、育つ。
 ある雨の日、彼は野良の子犬と出会い、友達になる。
 彼は子犬と共にさすらい、ある町に流れて来る。
 その町では、侍の悪霊が夜な夜な若い娘の首を切断し、首を持ち去っていた。
 悪霊は昔、醜い顔の姫の治療のため、城下の若い娘を襲っていた侍で、道路工事のため、古い城の一角を掘り返した際に出てきた鉄の箱に封印されていた。
 旅の僧はこの悪霊に対抗するため、一計を案じるのだが…」

・「悪魔っ子の巻」(1976年「少年キング増刊」)
「また一人となった地獄小僧。
 地獄小僧はある団地の屋上に通じるドアの前で新一という少年と出会う。
 彼は鍵っ子で、両親が留守の間、動物の虐待や悪趣味な悪戯をして過ごすサディストであった。
 また、彼には超能力があり、事故を起こすことなど朝飯前。
 新一は地獄小僧を自分の部屋に住まわせ、毎日、団地の屋上で「異常な遊び」をして過ごす。
 二人は「友だち」であったが、その仲が壊れる時…」

 日野日出志先生の名作の一つ「地獄小僧」。
 全八話ですが、ページの都合上か、六話しか収録されておりません。
 続きは「恐怖列車」(ヒバリ・ヒット・コミックス)で読めますが、これに新たなラストシーンを描き加えたものが「地獄の絵草子 地獄小僧の巻」に収録されております。(ややこしい話です…。)

2022年9月3日 ページ作成・執筆

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