さがみゆき「怪談黒髪の呪い」(1987年11月16日発行/青174)
「下総の国(千葉県北部)。
彦太郎は、つらいばかりの百姓に見切りをつけ、都に出て、絹商人になることを決める。
彦太郎は恋人の梅に一年だけ待つよう言い、京へ旅立つ。
が、故郷が戦乱に巻き込まれたという噂を聞き、故郷に戻ろうとするが、国境の番人に追い返され、果たせない。
瞬く間に月日が経ち、四年後、彦太郎は一人前の絹商人となっていた。
そんな彦太郎の前に、真旧女姫(まごめひい)さまという姫が現われる。
姫に請われ、屋敷に滞在することになるものの、姫の正体は蛇精であった。
姫の正体を知った彦太郎は逃げようとするが、真旧女姫は決して諦めようとしない。
高僧にすがり、お札を貼った小屋に閉じこもるものの、姫の執念はそんなものをものともせず、彦太郎を追い詰める。
彦太郎が絶体絶命の危機に陥った時、彦太郎を救ったのは、生命があるように姫の顔に覆いかぶさった、煙草のヤニを塗りつけた紙(?)だった。
梅に命を助けられたと信じて、彦太郎は梅の生死を確かめるため、故郷に戻ることを決意する…」
カバーが新しく描きなおされた点を除けば、黒枠版と同内容です。
(個人的には、黒枠版のジャケットの方が、色彩に深みがあって、幻想的でいいと思います。)
ちなみに、何故かは知らねど、巻末に読者のコーナーが1ページ程、あります。(ただ、程なくして、ひばり書房は出版をやめるのですが…。)
また、近刊予告として「皮膚のない顔」(仮題)の広告が載っております。
恐らく、出版されることはなかったと思いますが、どういう内容だったのか、非常に気になるところです。
平成27年12月31日 ページ作成・執筆