森由岐子
「仮面のマリア」(1987年7月16日発行/青88)
「殺さないで 仮面のマリア」(1986年4月16日発行/青116)
「アパート住まいの医大生、大木淳一は、ある夫人から家庭教師のアルバイトを持ち掛けられる。
淳一は、夏休みの間、住み込み三食付きで20万円という破格の条件にとび付き、夫人と共に郊外の邸へ向かう。
彼の教える相手は、大富豪の近衛真介の一人娘、真利亜であった。
真利亜は一年前、顔に大火傷を負い、顔をゴム製のマスクで覆っていた。
引きこもりがちになった真利亜のため、近衛真介は山中に館を建て、その館の住人は、真利亜の他に、後妻のつゆ子、彼女の娘である香衣、真利亜に長年仕えた滝の三人。
真利亜が異性と接するようにとのことで、淳一は、真利亜と一つ部屋で過ごすこととなる。
とりあえず、バイトを引き受けた淳一であったが、滝からひそかに手紙を手渡されてから、状況が一変する。
手紙は、真利亜が、つゆ子と香衣の母子に殺されると訴えていた。
また、手紙を裏付けるように、真利亜の周辺では、おかしなことが続発。
疑心暗鬼になればなるほど、つゆ子と香衣が怪しく思えてきて、淳一は二人とたびたび諍いを起こすようになる。
だが、いくら考えても、どこか釈然としないものが残る…。
真利亜の仮面の奥の素顔とは…?」
「顔のない眼」の影響を感じますが、内容は全く違い、遺産相続を巡るサスペンス…かと思いきや、サイコ・スリラーとなります。
にしても、ゴム製のマスクの口の部分が、どのような構造になっているのか、よくわかりませんでした。
眼の部分のようにそこだけぽっかり開いているわけではなく、自在に伸び縮みしているような…。
2019年2月5日 ページ作成・執筆