杉戸光史「人喰い女の館@」(1984年11月6日発行/青85)
杉戸光史「人喰い女の館A」(1984年11月6日発行・1986年6月16日発行/青85)

「漫画家志望の中学一年生、杉戸光子は鬼火村を訪れる。
 バス停に出迎えに来たのは、いとこの兄妹、二つ上の哲也と同い年の明美であった。
 親戚の家に向かう途中、三人は鬼面神社の前を通りかかる。
 この神社には鬼の面が奉納されていたが、それは本物の鬼の皮と伝えられていた。
 昔、村を飢饉が襲った時、飢えに耐えかねた娘が鬼の面をかぶって、旅人を襲っては、人肉を喰らったという。
 そのうち、身も心も鬼になった娘は鬼のような形相に変わり、最後は、旅の武芸者に退治されたと伝えられていた。
 光子はその話に興味津々だが、その時、人の悲鳴が聞こえる。
 三人が駆け付けると、農婦が失神しており、気が付くと、「鬼がでた」と叫んで、走り去る。
 だが、その場にいたのは、通称バケモノ屋敷の番人をしている、セムシの老人であった。
 翌日、スケッチをしようとしていた光子は、明美にススキ沼に案内される。
 そこで、二人が目にしたのは、昨日、出会った農婦の死体であった。
 慌てて逃げ出すものの、光子は地下水路に通じる穴に転落してしまう。
 意識を取り戻した光子は、迷路のような地下水路をさまよううちに、暗闇の中で灯りを見つける。
 灯りのもとに向かうと、そこには鬼女が待ち構えていた。
 鬼女に襲われた、光子は急流に転落、幸運なことに、川下に流れ着く。
 光子は、助けを求め、人家を探すが、辿り着いたのは、例のバケモノ屋敷。
 そこが鬼女の住処であることを知った光子は、番人の老人の追跡から逃れ、ようようにして親戚の家の近くまで逃げのびる。
 翌日、光子の話を聞いた哲也と光子は、番人の老人の留守に、バケモノ屋敷を探索する。
 すると、地下室に人骨の詰まったつぼが幾つも置いてあった。
 哲也は、このところ、頻発する死体紛失事件と関係あるとにらみ、その晩、沼で死んでいた農婦の墓を見張ることにする。
 だが、哲也は後頭部を殴られ、気絶、光子の前に再び鬼女が姿を現わす。
 伝説の鬼女が現代に復活したのであろうか…?
 また、バケモノ屋敷に持ち主である、資産家一家は何者なのであろうか…?
 そして、死肉を喰らう鬼女の秘密が明らかになる…」

 ひばり黒枠単行本の「鬼」を改題して、ヒバリ・ヒット・コミックスから再刊したものです。
 内容が若干削られておりまして、詳しいことは「鬼」のページをご覧になってください。

 あと、個人的に気になった点が一つ。
 私、「人喰い女の館A」を二冊、持っているのですが、1984年から1986年と約一年半のブランクがあるにもかかわらず、カバー後袖の発行年月日が違うだけであとは全て一緒。
 巻末の「ゲームデンタクの中間発表」は昭和59年(1984年)夏のままだし、カバー前袖の「ゲームデンタクの当選者」もそのまんま。
 ○○○○のように、「ゲームデンタク」の当選者って実は架空だったのではないか?との思いを強めております。

2017年11月15日 ページ作成・執筆

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