森由岐子「呪われた変身」(1984年5月16日発行/黒68)
「資産家の綾小路博重の双子の娘、麻紀と志麻。
二人の性格は真反対で、姉の麻紀は勝気で冷酷、妹の志麻は大人しく優しい娘であった。
母親の駆け落ちをきっかけに、娘達は屋敷に幽閉されていたが、ある日、父親が飛行機事故で他界。
父親の死後、邸は、姉妹と婆やの三人暮しとなる。
ある日、麻紀が、父親が秘密にしていた「あかずの部屋」を調べると、そこは幾多の拷問道具が揃えられた拷問部屋であった。
更に、死んで間もない母親の死体も発見。
父親の日記から、彼が、浮気した母親を拷問部屋で責め苛んでいたことを知り、麻紀は興奮を抑えることができない。
彼女には、父親と同様、サディストの血が流れていたのであった。
そんな時、婆やの孫息子の篠原史郎が邸を訪れる。
姉妹は彼に一目惚れし、麻紀の懇願により、史郎は邸に滞在することとなる。
だが、彼は、活発な麻紀よりも、大和撫子な志麻になびき、麻紀は嫉妬の炎を燃やす。
一計を案じた麻紀は、婆やと史郎を旅行に出し、その間に、志麻を拷問部屋に連れ込み、監禁&拷問。
麻紀は志麻と入れ替わり、史郎の愛を得ようとするのだが…」
ひばり書房の黒枠単行本からの再刊であります。
内容の差異は、ラストの「完」が、「このこわい物語を事実を描いたものではなく云々」という編集部の注意書きになっていることぐらいのようです。
2020年11月16日 ページ作成・執筆