古賀新一「私は恐い まだらの毒ぐも」(1988年10月16日発行/青140)

 収録作品

・「まだらの毒ぐも」(「週刊マーガレット」連載)
「加代の父が南米から持ち帰った植物に紛れ込んでいた、珍しい毒ぐも。
 毒ぐもは加代の父親を手始めに、一家に寄生し、クモ人間へと変える。
 数日後、加代の家を訪れた、いとこの美紀は、クモ人間と化した加代の一家に襲われる。
 同じクモ人間にされようという時、加代一家に拉致された医師が家に放火、火のショックで加代の父母はもとの姿に戻る。
 火事から逃れた加代は、美紀の身体に卵を植え付けるが、美紀は逃走。
 美紀を追って、加代は美紀の家に侵入し、美紀の家族を襲う。
 だが、卵は焼かれてしまい、加代は、その復讐のため、旅行に出た美紀の家族を執拗につけ狙う…」
 楳図かずお先生の名作「紅グモ」に触発されて描かれた作品でありましょう。
 楳図かずお先生が「変身」への恐怖に重点を置いているのに対して、古賀新一先生は蜘蛛の持つ生理的な嫌悪感で勝負。
 巨大な蜘蛛や不気味な蜘蛛人間の描写を「これでもか〜」っと盛り込んでおります。(p53のドアを開けたら、待ち構えている大蜘蛛は、つぶらな瞳が可愛いかも。)
 そして、この作品でも、古賀新一先生はお得意のサディスティックなまでの「ヒロインいじめ」が展開されております。
 ただ、他の作品にも共通することですが、展開の唐突さと、ヒロインの「喉元過ぎればショック描写」な健忘症が、どうも作品にスラップスティックな雰囲気を醸し出しているような気がします。
 また、p108とp109の間がうまくつながらず、抜けがあるのではないでしょうか。(掲載雑誌をもしも入手できたら、確認いたしましょう。)
 ヒバリ・ヒット・コミックスでも同内容なので、抜けもそのままに再録したのであれば、ひばり書房らしい話だなあ〜。(コレばっかりです…。)

・「暗い穴の中で」
「八千代は、悪戯心から、蛇嫌いの川井喜代子を蛇のおもちゃで驚かす。
 喜代子は気絶して、以来、ノイローゼになってしまう。
 遂には、ノイローゼが高じて、身も心も蛇へと変化。
 八千代への復讐を企む喜代子は、見舞いに来た八千代をだまして、人里離れた廃屋に誘い込む。
 うっかり喜代子の正体を見てしまった農婦とその子供も自分の仲間にして、喜代子は八千代を襲う…」

 ひばり書房・黒枠単行本からの再録です。

2017年2月9日 ページ作成・執筆

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