古賀新一「白へび少女@」(1983年11月6日発行/青123)
    「白へび少女A」(1983年11月6日発行/青124)
    「白へび少女B」(1985年5月16日発行/青39)


・「白へび少女@」
「塚本加奈子とみどりは、この世で二人っきりの姉妹。
 みどりは黒沼診療所にて療養していたが、ある日突然、原因不明の死を遂げる。
 加奈子が通夜をしようとすると、看護婦達は加奈子を邪険に扱い、断りもなく土葬してしまう。
 加奈子はみどりの死体を掘り返そうとするが、中からは大量の蛇が現れる。
 気絶した加奈子は後で、妹が蛇女になったことを知る。
 そんな最中、加奈子は院長夫妻から養女として迎えられる。
 院長夫妻には麻也という美しい娘がいたが、その容貌とは裏腹に、冷たい心の持ち主であった。
 また、麻也の他にも、邸には奇怪な容貌の娘がいるらしい。
 その夜、母親は麻也を邸から逃がそうとするが、二人の前に麻也が現れる…」

・「白へび少女A」
「奇怪な容貌の少女の手引きによって、邸から逃げ出した加奈子。
 しかし、案内された廃校で、加奈子は蛇少女達に襲われる。
 運よく猟師の男に助けられた加奈子は黒沼院長の話を聞く。
 黒沼院長は「ほとけ沼」の主である白蛇を解剖したために、祟られているのであった。
 加奈子は猟師の男と共に暮らそうとするが、廃校で蛇の卵を飲まされたために、彼女の身体は蛇女と化していた。
 麻也に扇動された村人達によって、加奈子はリンチにかけられそうになる…」

・「白へび少女B」
「猟師の男の機転によって、普通の身体に戻った加奈子。
 彼は、友人と共に、黒沼院長の館に向かう。
 館は数日のうちにすっかり荒れ果て、壷がたくさんある部屋では、みどりを含む、多数の少女達の死体が発見される。
 加奈子が妹の死を嘆いている時、麻也と院長夫妻が猟師の家を訪れ、彼女を強引に館に連れて帰る。
 麻也は加奈子を蛇女に変えようとするが、そこで麻也の秘密が明らかになる。
 加奈子が絶体絶命の時、猟師の男は加奈子を救うために、単身、館に乗り込む…」

 ひばり書房黒枠単行本「蛇」を改題して、再刊したものです。(「蛇」は一巻しか持ってませんので、変更や差異についてはわかりません。)
 典型的な「古賀新一先生の蛇もの」でありますが、その中でも、最高傑作だと個人的に考えております。
 畳みかけるようなショック描写が、積み上げてきたキャリアのお陰でしょうか、子供だましでなく、なかなかにヘビーで、当時としてはかなりの生理的嫌悪感を誇ったように思います。
(例えば、看護婦の焼身自殺のシーン、壷の中から蛇少女達が現れるシーン、壷の中から出てきた少女達の死体が床を覆うシーン、ラストで蛇少女に弾丸を撃ち込むシーン等)
 相変わらず、ショック描写は分裂気味ながらも、ストーリーはそこそこ整合性は取れており、現在では「白へび館」や「白へびの恐怖」よりも読みやすいのでないでしょうか。

2018年3月22日 ページ作成・執筆

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