大内清子「幽霊クラスメート」(1987年2月16日発行/青79)

「中学生、日高良の妹は小学一年生の神(しん)。
 妹はやんちゃで可愛い女の子であったが、ある夜、良は妹の頭上に悪霊を視る。
 その翌日、良のクラスに奈々緒純子という少女が転入してくる。
 実は、純子は「いたこジェンヌ」(注1)で、事故死した、良の恋人、三浦アヤの霊が憑りついていた。
 アヤの霊は良の妹を悪魔と呼び、また、彼女が亡くなる原因となった事故も神(しん)の仕業であった。
 神は良の前ではその本性を露わにするが、他人の前ではうまく猫をかぶり、誰も良の言うことを信じてくれない。
 良は妹が起こす悲劇を食い止めようと努めるが…」

 大内清子先生は貸本時代は、東京漫画出版社にて「ハッスルブック」の看板で、明朗な少女マンガをたくさん描いております。(大して目を通しておりません。)
 当時から「兄妹」にこだわった作風のようですが、この作品でも「シス・コン」の要素をフィーチャーしてます。
 長年のキャリアをお持ちの大内清子先生が、ひばり書房に一冊のみ描き下ろした作品がこの「幽霊クラスメート」です。
 ただ、ストーリーは、説明不足、かつ、非常にまとまりが悪く、正直なところ、あまり面白くありません。
 「牡丹燈籠」や霊感少女が出てきますが、ストーリーに深く絡まず、空疎な印象を強めるだけです。
 読後は、さっぱり要領を得ない内容故に、釈然としない感のみ残ります。

・注1
 「超兄貴」等のゲーム・ミュージックで有名な葉山宏治さんのアルバム「超葉山〜兄貴番外地」収録の「TAKARAZUKA」より引用。
 また、同アルバムの「音楽暴走族」は、私にとって、最高のドライブ・ミュージックの一つです。

・備考
 スリップ付。

2018年2月19日 ページ作成・執筆

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