金子晴お・橋本将次「一匹伝A 生きていた太刀」(200円)



 収録作品

・金子晴お「生きていた太刀」
「荒れ果てた屋敷に越してきた青年医師の田辺玄瑞と妹の志保。
 新しい生活に胸躍らせる二人であったが、屋敷の前に陰気な目付の乞食坊主が現れ、志保にここに住まないよう警告する。
 実際に、玄瑞が中二階の部屋を訪れた時から、彼の様子が一変。
 中二階の部屋には、前の住人の物と思しき太刀があり、玄瑞はその刀に執着する。
 また、穏やかで明るかった性格は粗暴になり、たまに、別人のような容貌に見える。
 兄妹が屋敷に越した以降、勘定方の役人が毎夜、斬殺される事件が起きる。
 志保の許嫁の伊織によると、この屋敷の前の持ち主は七年前に亡くなった、勘定方の葛馬記内らしいのだが…。
 狂った葛馬記内の怨霊に憑りつかれた玄瑞は、妹の志保にも凶刃を向ける…」

・橋本将次(くもいすすむ改め)「妖面」
「信乃は、今は亡き面作りの名人、喜多川甚五郎の娘。
 夜な夜な、父親が精魂込めて作り上げた怒髪天の面が怪異を起こす。
 信乃が、父親の友人だった和尚に相談すると、甚五郎の霊は成仏していないと言われる。
 そして、父親の魂を鎮めるためには、信州塩尻の万福寺にある、父親の墓に、その面を入れる必要があるのであった。
 信乃は和尚の言葉に従い、万福寺に向かうが、その途中、マムシに噛まれてしまう。
 通りがかりの浪人、磯村織之進は瀕死の信乃から妖面を託され、万福寺を訪れ、甚五郎の棺にその面を入れようとする。
 すると、織之進の前に甚五郎の霊が現れ、彼に憑依。
 それは、江戸で甚五郎と肩を並べた、面作りの名人、柿村赤兵衛への復讐を果たすためであった…」

・備考
 表紙の痛み、激しい。背表紙ボロボロ。p125から最終ページまで痛み、激しい。p127から最終ページまで綴じが外れ気味。

2017年10月10日 執筆・ページ作成

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