円谷一平「ウルトラアリゴン」(220円)



「北海道の真狩町。
 突如、町中に大規模な陥没が起こり、その中から巨大な怪獣、アリゴンが出現する。
 甚大な被害をもたらしながら、アリゴンは白老山に向かうが、そこにはマツカリ族の末裔である老婆とその息子が住んでいた。
 百年以上も前、アリゴンによって滅亡したマツカリ族の仇を討つため、老婆とその息子は焼毒石からつくられた石槍で立ち向かう。
 先祖の言い伝えによれば、この焼毒石がアリゴンに突き刺されば、いかなアリゴンでも「焼けただれ、やがて死んでしまう」のであった。
 が、巨大なアリゴンに息子はあっさり返り討ちにされ、老婆も瀕死の重傷を負ってしまう。
 そして、アリゴンは白老山の中に潜り込み、そのまま消息を絶つ。
 一年後、友人達と白老山にキャンプに訪れたきよしは、谷底にある山小屋に気付く。
 そこでは、マツカリ族の末裔の老婆が息絶えようとしていた。
 老婆はきよしに、アリゴンを倒すための焼毒石のありかを教え、こと切れる。
 きよしは仲間のもとに戻り、今あったことを話すと、その時、白老山に異変が起こる。
 地鳴りと共に、岩盤が砕け散り、アリゴンがその姿を再び現したのであった。
 アリゴンは迎え撃つ戦車隊を蹴散らし、口から火や酸を吐いて、札幌の町を蹂躙する。
 一方、函館に戻ったきよしは兄に焼毒石のことを話し、二人で白老山を訪れるのであった…」

 円谷一平版「放射能X」なのでしょうか?
 とにもかくにも、アリの怪獣だから、「ゴン」をつけて、アリゴン…あまりの安直さに心洗われる思いがいたします。
 内容もそのネーミングの通りの内容なのですが、アリゴンの暴れっぷりはなかなか爽快。(札幌、壊滅しちゃってます…。)
 とは言え、所詮はアリ…いくら大きな図体をして火を吹きまくっても、いまいち説得力がありません。
「黒い絨毯」や「フェイズW」のように、小さくても、圧倒的な数で襲い掛かってくる方が遥かに迫力がありように思います。

・備考
 カバー上部欠損部分にカラーコピーの補修あり(いい仕事してます)。カバー痛み、特に背表紙がひどく、下部欠損あり。糸綴じあり。後ろの遊び紙、欠損。巻末ページの端が裏表紙に張り付き、破れている(「ウルトラキング」の予告がちぎれてる〜)。pp7・8、コマにかかる裂けあり。

平成27年11月9日 執筆・ページ作成

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