円谷一平「ウルトラキング」(1966年頃?/220円)


「日光の中禅寺湖に、双頭の竜のような怪獣が潜っていくところを、湖の管理事務所の男性が目撃する。
 慌てて巡査に知らせるものの、誰も信じてくれない。
 ただ、この話を聞いて、好奇心を持った一郎と次郎の兄弟は、目撃者の男性に現場を確かめるよう頼まれる。
 現場に赴いた兄弟は何か重いものが通ったような跡が湖に続いているのを見つけ、その跡を辿ることにする。
 その先には、一見したところ岩のような巨大な卵があった。
 兄弟の前でその卵が割れ、中から双頭の怪獣の子供が出てくる。
 怪獣の子供は人家を突っ切り、山へ進むと、送電塔に登る。
 感電するかと思いきや、電気をどんどん吸収し、巨大化。
 更なる電気を求めて、双頭の怪獣は只見発電所の方面に向かう…」

 とりあえず、言っておきたいことは、ジャケットの怪獣と、本編の怪獣が全く違います。
 こんな毛むくじゃらの怪獣は一切出てきません。
 だからと言って、つまらないことはなく、かなり面白いです。
 怪獣の二つの頭が互いに争う描写や、奇想天外な怪獣の退治方法等、テンションの高い見せ場が多く、当時の怪獣漫画としては最も水準の高い作品の一つでありましょう。
 んにしても、何故に舞台が中禅寺湖…?(日光を訪れたことがないので、一度は行ってみたいものです。)

・備考
 状態非常に悪し。ボロボロ…。糸綴じあり。ビニールカバー貼り付け、また、紙がひっついている。前後の遊び紙、袖に張り付き、かつ欠損や破れあり(後ろの方がひどい)。pp5〜8、上部に横五センチ・縦十センチぐらいの大きな欠損あり。小欠け、小裂け、シミ、汚れが多数。

平成27年11月8日 執筆・ページ作成

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