結城にこ・漫画「恐怖コレクター」
(佐東みどり 鶴田法男・原作/2022年3月26日初版発行)
赤いフードの少年、彼の名はフシギ。
そして、彼の相棒は人面犬のジミー。
フシギは都市伝説を回収して、町から町へと渡り歩く。
その目的とは…?
・「第一話 赤いフードの少年」(「月刊コミックジーン」2021年10月号)
「捺奈、友里恵、凛は仲良し三人組。
ある日の下校途中、川の傍の道を歩いていると、友里恵が奇妙なものを発見する。
川の中に白い影法師が立っているのだが、人とは思えない奇妙な様子をしていた。
突然、三人は凄まじい耳鳴りとひどい頭痛に襲われる。
その場から逃げ出して、事なきを得たものの、結局、原因はわからずじまいであった。
翌日、捺奈と凜は友里恵が交通事故にあったことを知る。
彼女は「白が追いかけてくる」と叫びながら、何かから逃げ、交差点をとび出して、トラックにはねられたのであった。
放課後、捺奈と凜がこのことについて話していると、赤いフードの少年が話しかけてくる。
彼は捺奈たちが見たものは「くねくね」だと指摘し、それを見た者は不幸に見舞われると話す。
気が付くと、少年の姿はなく、捺奈のスマホにメールの着信がある。
それには「白の呪い」から助かる方法を知りたければ、今夜0時に学校裏の神社に来るよう書かれていたのだが…」
・「第二話 金色の公衆電話」(「月刊コミックジーン」2021年11月号)
「桃子の親友、樹里はサッカー部の滝本先輩に夢中。
ある日、樹里は桃子に「金色の公衆電話」の話をする。
これは隣町にあり、「特別な十円玉」を使って、願い事をすると、叶うらしい。
桃子は昔、祖母に「特別な十円玉」をもらったことがあり、樹里にそれをあげる約束をする。
だが、彼女もまた滝本先輩のことが好きであった。
そこでカッターで傷つけただけの十円玉を樹里に渡し、隣町まで付き添う。
ようやく見つけた「金色の公衆電話」はとても古びていた。
樹里は十円玉を入れるも、何も聞こえない。
電話線も繋がっておらず、単なる噂話と思った矢先、公衆電話のベルが鳴る。
樹里が受話器を取ると、少女の声で「あなたの願いは?」と問いかけてくる。
樹里は願いを言うと、後日、彼女は本当に滝本先輩と付き合うこととなる。
納得いかないのは桃子で、彼女は「特別な十円玉」を持って、もう一度「金色の公衆電話」を訪れるのだが…」
・「第三話 逃げる男」(「月刊コミックジーン」2021年12月号)
「ある雑誌の記者はスクープを狙うも、うまくいかず腐っていた。
ある時、彼は後輩から「顔のない子供」という都市伝説を聞く。
バカバカしいとは思いつつも、それっぽい写真を撮って、記事をでっちあげればいいと、彼は取材を開始。
すると、とある中学校に夜な夜な変な子供が出るという情報を得る。
彼はその学校に不法侵入し、その子供を撮影しようとするのだが…」
・「第四話 さまよう影」(「月刊コミックジーン」2022年2月号)
「ある中学校の2年B組
そのクラスの花咲ミホという女子生徒がトイレで何ものかに髪を切られ、また、上条秀之という生徒が不正行為の写真をメールでばらまかれる。
そして、放課後、清水夏美という女子生徒が電車通過待ちの時に踏切へと何者かに突き飛ばされる。
フシギは彼女を助け、2年B組の生徒を襲っていたものに対峙する。
それは「シャドーマン」、いや、実際は杉浦真白という女子生徒であった。
彼女はいじめられっ子で、「お兄さん」に力をもらって、復讐をしたという。
フシギは日が暮れると、身も心も闇に呑み込まれると彼女を説得しようとするのだが…」
・「第五話 顔のない子供」(「月刊コミックジーン」2022年3月号)
「コンビニで見かけた雑誌に、フシギは呪いの気配を感じる。
これには都市伝説が特集されており、次号には「顔のない子供」特集が予告されていた。
もしも、「顔のない子供」の写真が雑誌に掲載されれば、雑誌を媒介に呪いが全国に広がってしまう。
雑誌が出るのを止めるため、フシギとジミーは出版社に向かう。
そこで彼らを待っていたのは…」
角川つばさ文庫から刊行されている「恐怖コレクター」(全22巻)のコミカライズです。
原作を読んだことがないので、差異については全くわかりません。
まあ、ジュブナイルとは言え、原作がしっかりしているので、内容はまあまあだと思います。(でも、第一話の結末はよくわかならい…。)
しかも、巻末には原作者同士の談話が1ページ載っており、なかなか興味深い内容となっております。
でも、帯で「マンガオリジナルの展開も!?」と煽っておいて、この一冊で終わりというのはないのではないでしょうか。
もう少し、続けてほしかったものです。
2024年4月22日 ページ作成・執筆