ハセガワM「イキ死ニ」(2021年7月12日初版初刷発行)

・「第一話 赤い貼り紙」(「月刊コミックビーム」2021年1月号)
「森彩乃は、男と蒸発した母親の残した借金のせいで闇金業者に追われていた。
 S街のガード下に隠れていたところ、ゴミの中から浮浪者の男が現れる。
 男はガード下の壁の赤い貼り紙を見るよう彼女に話す。
 その赤い貼り紙にはQRコードのようなものが記されていた。
 彼は破格の金額を得られるが、その代償はとてつもなくでかいと言い残して、消える。
 彩乃が携帯電話でQRコードを読み込むと、「生き物係」(三日で三十万円)のアルバイト情報が出る。
 彼女はこのバイトを申し込み、神奈川県Y市M区のアパートの一室を訪れるのだが…」

・「第二話 疼き」(「月刊コミックビーム」2021年2月号)
「『生き物係』の仕事とは、保護下にある「生体A」を72時間ケアすることであった。
 午前三時から12時間おきに粉末スープを180ml溶かしたものに、彼女の唾液を10ml加え、与えなければならない。
 そして、生体Aは監禁された痩せこけた女性であった。
 彩乃は金のために割り切ってやるのだが…」

・「第三話 粉をまぶす仕事」(「月刊コミックビーム」2021年3月号)
「予定よりもかなり早く仕事が終了し、彩乃は30万円を得る。
 だが、借金返済にはまだ足りず、再びガード下を訪れ、QRコードを読み取る。
 次の仕事は8時間で45万円で、内容は単純、「粉をまぶす仕事」。
 応募した彼女は男性二人、女性一人とバンに乗って、工場らしき場所に連れてこられる。
 作業着に着替え、仕事が始まるが、粉をまぶすものとは…?」

・「第四話 侵食」(「月刊コミックビーム」2021年4月号)
「仕事の最中、彩乃は下半身に物凄い疼きを覚える。
 この疼きは前回のバイトの時からで、「自慰をしたら死ぬ」と度々警告を受けていた。
 疼きはどんどん強くなり、彼女は「ダイレクトな感覚」が欲しくてたまらない。
 その時、彼女は視線を感じる…」

・「第五話 末期」(「月刊コミックビーム」2021年5月号)
「バイトで出会った女性から彩乃は「行きたかったらセックスするかもう一度バイトなさい」と言われる。
 彩乃は淫乱な母親への嫌悪のため、売春は絶対にやりたくないが、このバイトをやるのも限界であった。
 しかし、体内の疼きは強くなる一方で、卑猥な幻覚に苦しめられる。
 気が付くと、彼女はまたガード下にいた。
 そして、最後の仕事はデパートでの「キャラクターショーの仕事」(一日六時間/二百万円)であった…」

・「第六話 ファイナル・ステージ」(「月刊コミックビーム」2021年6月号)
「彩乃に男性三人、女性一人を加えた五人は『狂撃戦隊バイオレンサー』のスーパーヒーローショーに「正義の超人」をアドリブで演じるよう言われる。
 荷物用エレベーターで地下フロアに降り、ステージに出ると、客席は大勢の観客で埋め尽くされていた。
 だが、広々としたステージには天井から吊るされた全裸の女性と、その下に台座に乗った三面の奇妙な像があるだけ。
 敵の怪人の姿はなく、とりあえず、彼らは吊るされた女性を助けようとするのだが…」

・「最終話 偉大なる死」(「月刊コミックビーム」2021年7月号)
「ただ一人生き残った彩乃の前に、巨大化した「敵の怪人」が立ちはだかる。
 しかし、彩乃は内奥の疼きに気が狂わんばかりで、敵に抱いてくれるよう頼む。
 その時、彼女の頭上から哄笑が聞こえるが…。
 彩乃の真の姿とは…?
 そして、彼女の向かう先とは…?」

 「性」をテーマにした奇想ホラー…なのでしょうが、何回読んでも、私にはよく理解できませんでした。
 作品との相性は仕方のないことなので、深読みできる方、もしくは、内容に共感できる方にアツく語っていただきたいと思います。
 とりあえず、「粉をまぶす仕事」って結局、何だったの?…誰か教えてくれませんでしょうか。

2023年7月24日・8月2日 ページ作成・執筆

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