凜野ミキ「呪怨 ―video side―〈序章〉」(2003年8月1日初版発行)

 ジャパニーズ・ホラーを代表する一作、「呪怨」(清水崇・監督)。(注1)
 一般には、2003年に劇場公開されたものが有名ですが、もとは2000年に「Xシネマ」として制作されたものでした。
 この「呪怨 ―video side―〈序章〉」は、Xシネマ版を原作とした描き下ろしのコミカライズであります。
 読みやすさとページ数を考慮したためでしょうか、家庭訪問した教師のエピソードはばっさり割愛。
 その代わりに、呪われた家に最初に引っ越してきた家族を主人公に据えて、彼らが受ける呪いをメイン・テーマとしております。
 そのために、ストーリーはかなり改変され、ぶっちゃけ、オリジナル作品と言ってもよいかもしれません。
 でも、この作品に関しては、まとまりがよく、また、強烈なグロ描写もありますので、怪奇マンガとしては、かなりよい出来だと私は思っております。

・注1
 この紹介文を書くために、今更ながら、Xシネマ版と劇場版の「呪怨@A」を一気に観ました。(実は未見でした…。)
 劇場版は大して怖くなかったですが、Xシネマ版の「呪怨」は、今観ても、かなり不気味で、久々に枕を抱えて、隠れ観しちゃいました。(夜に観たせいかも…)
 Xシネマ版の方が、よりエグい、かつ生々しく、ホラーとしては劇場版よりも優れているように思います。
 あと、個人的には、佐伯伽椰子(怖い顔をして迫ってくる女)よりも、白塗りのガキンチョ(佐伯俊雄)の方が、神出鬼没で怖かったです。

2020年7月13日 ページ作成・執筆

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