二宮香乃「小学生ゾンビ・ロメ夫」(2015年12月25日初版初刷発行)

・「第1話 転入ゾンビ・ロメ夫」(「Fellows!」16D号)
「雨降小学校。
 四年四組に転入してきた穣治ロメ夫はゾンビであった。
 ロメ夫は、クラス一のバカの猿林の隣席となる。  これで「ビリから二番」になれると猿林は喜ぶが、ロメ夫は頭脳優秀で、何でも得意。
 体育なら勝てると思いきや、プールでは達者な泳ぎを見せ、カナヅチの猿林は轟沈する。
 何をやってもゾンビ以下と暗い気持ちで迎えた給食時間。
 ロメ夫には意外な弱点が…」

・「第2話 友達ゾンビ・ロメ夫」(「Fellows!」23号)
「体育の時間はドッジ・ボール。
 ロメ夫は、女子をかばい、猿林の投げたボールをまともに受け、首が取れてしまう。
 保健室の赤松先生によりでんぷんノリでくっつけて、どうにか復活。
 下校途中、猿林は、小動物に興味津々のロメ夫にザリガニ釣りを教える。
 ところが、ザリガニがロメ夫の両手を切り落とし、両手が川に落ちてしまう。
 猿林はクラスメート達と一緒に両手を捜すのだが…」

・「第3話 お祭りゾンビ・ロメ夫」(「Fellows!」25号)
「8月8日に開催される「納涼こども肝だめし」。
 町内会長の鈴木はロメ夫にお化け屋敷への協力を依頼する。
 しかし、ロメ夫は大の怖がりであった。
 他の脅かし役にバカにされ、猿林はロメ夫を特訓するも、何だか逆効果。
 結局、ロメ夫は「立っている人形」役で、ロメ夫の横を通り過ぎた後、別の脅かし役が驚かすこととなるのだが…」

・「第4話 秀才ゾンビ・ロメ夫」(「ハルタ」3号)
「四年四組の闇谷はクラス一の秀才で、それを鼻にかけていた。
 しかし、テストでゾンビのロメ夫に負け、彼のプライドはズタボロになる。
 早速、ロメ夫に陰でいじめをするも、大して効果なし。
 そこで、猿林はロメ夫と影谷をもう一度勝負させる。
 猿林の出す問題に二人とも同じ答えを出し、勝負は平行線。
 ならばと、早押しにして、影谷が有利になったかに思えたのだが…」

・「第5話 世話人ゾンビ・ロメ夫」(「ハルタ」7号)
「後足を怪我した犬を拾ったロメ夫。
 彼は、身体を食べられながらも、学校に犬を連れてきて、飼い主が見つかるまで、飼うこととなる。
 ロメ夫は甲斐甲斐しく世話をするも、かじられてばかり。
 それでも、ロメ夫はあきらめることなく世話を続け…」

・「第6話 絶叫ゾンビ・ロメ夫」(「ハルタ」18号)
「学校一の不良女子、宇賀神。
 小学二年で高学年の生徒を病院送りにして、カツアゲをしていた中学生をカツアゲという経歴の持ち主で、学校中で恐れられていた。
 だが、ロメ夫はそんなことはつゆ知らず、雨の日、彼女に傘を貸す。
 宇賀神は外見は凶悪でも、中身は夢見る少女で、ロメ夫の好意に胸キュン。
 翌日、彼女はロメ夫に傘を返そうとするのだが…」

・「第7話 月光ゾンビ・ロメ夫」(「ハルタ」22号)
「ロメ夫は菊吉ピアノ教室に通う。
 彼の弾く、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ「月光」の音色は絶品。
 ただし、途中で、ロメ夫の腕の肉が崩れなければ…。
 ピアノ教師の菊吉は彼の才能を信じて、ピアノコンクールに出るよう勧める。
 彼女は、ロメ夫の腕が崩れないよう、筋トレをさせる。
 しかし、ロメ夫が特訓をすればするほど…」

・「第8話 健やかゾンビ・ロメ夫」(「ハルタ」27号)
「いつも気配りのきくロメ夫が今日は感じが違う。
 保健室に行くと、どうやら風邪をひいたらしい。
 保健室の赤松先生は帰るよう言うが、ロメ夫は皆勤賞の記念品がどうしても欲しいとのこと。
 そこで、猿林が自分がロメ夫の面倒を今日一日看ると申し出る。
 彼は、普段と違いダメダメなロメ夫を巧みにサポートして、彼の株は急上昇…のはずだったが…」

 「ゾンビもの」ですが、ホラーではなく、ゾンビ小学生を主人公にしたコメディーです。(若干、グロいシーンはあります。)
 また、ゾンビと言っても、ロメロ・ゾンビではなく、人格のある「生きている死体」という曖昧な設定です。
 なので、筋金入ったゾンビ・ファンからはいろいろとツッコミを受けそうですが、このマンガ、めちゃくちゃ面白いです。
 純真かつ心優しいゾンビ少年が小学生ライフを一生懸命送ろうとしていて、そのズレた感覚が私のツボにかなりはまっております。
 特に、「北斗の拳」が入った「絶叫ゾンビ・ロメ夫」はかなりのバカバカしさ!!
 読後、ほんわかする作品で、ホラー好きには「癒し」になるのではないでしょうか?

2022年11月23日 ページ作成・執筆

角川書店・リストに戻る

メインページに戻る