結城あみの
「ゆびきりばこ@」(2018年3月27日初版第一刷発行/第一話〜第四話)
「ゆびきりばこA」(2018年9月27日初版第一刷発行/第五話〜最終話)

・「第一話 崩壊スル日常」(「月刊コミックジーン」2018年1月号)
「上隠(かみなばり)高校の「2−A」クラス。
 御影秋仁(みかげ・あきひこ/ホラーものが苦手な主人公)、藤井寺蓮(ふじいでら・れん/自称ハムスター男子)、天羽千賀(あもう・ちか/秋仁の保護者気どり)、忍海姫斗(おしみ・ひめと/クラス委員長)は仲良し四人組(全員、男性)。
 このクラスは小学五年生の時のクラスメートが何故か集まっていた。
 そのこともあってか、秋仁は繰り返される他愛のない日常に倦怠感を覚える。
 彼が忘れたプリントを取りに生物学教室に行くまでは…」

・「第二話 始マリノ合図」(「月刊コミックジーン」2018年2月号)
「秋仁が生物学教室で目にしたもの。
 それはクラスメートの楠真由美が首をポールに貫かれてぶら下がっている姿であった。
 彼女の死体の周囲には暗いモヤがまとわりつき、「指切りげんまん」の歌を唄っていた。
 そのモヤは彼女の小指を切断し、「指切った 死んだら御免」という言葉を最後に消える。
 そして、黒板には「みんな しんじゃえ」と書きなぐられていた。
 秋仁の言葉と死体の状況から、忍海姫斗は「ユビキリ様」ではないかと推測する。
 都市伝説の一つに「ユビキリバコ」というものがあり、「呪いの箱に詰められた呪紙に書かれている名前の人物をユビキリ様が喰い、すべてを喰い尽くした時、願いを叶えてくれる」という。
 一週間後、楠真由美の死が学校側から伝えられるが、彼女の死は自殺になっていた。
 これでクラスは大騒ぎになり、様々な憶測が飛び交う。
 だが、彼らの目の前で、ユビキリ様の存在を信じざるを得ないことが起こる…」

・「第三話 生贄ト誓約」(「月刊コミックジーン」2018年3月号)
「忍海姫斗が古ぼけた文書を教室に持ってくる。
 この文書は彼の曾祖母が「ユビキリバコ」について記したものであった。
 これによると、ユビキリバコが呪いだとするならば、呪いをかけた本人に呪詛返しができるかもしれない。
 しかし、そんな希望は簡単に打ち砕かれ、ある者は生き残る方法を探る…」

・「第四話 光明カラ銷魂」(「月刊コミックジーン」2018年4月号)
「日向飛鳥は顔は可愛く、大人しい感じの少女。
 だが、彼女はずっと藤井寺蓮をストーキングしており、藤井寺蓮は彼女を心底憎んでいた。
 ある日の帰宅途中、蓮を飛鳥が呼び止める。
 彼女は、彼が死なないようにと、あるものをプレゼントするのだが…」

・「第五話 規律ト秘密」(「月刊コミックジーン」2018年5月号)
「楠真由美がユビキリ様に殺されて一か月。
 いまだ犠牲者は出続け、クラスの中には慣れが生じていた。
 ある時、斑鳩マリアが秋仁たちのグループに話しかけてくる。
 彼女は日向飛鳥の親友で、とっつきにくい性格であった。
 彼女は自分と手を組んで、犯人を捜すのを手伝ってほしいと頼む。
 彼らは彼女を受け入れ、今までのことをまとめる…」

・「第六話 事態ノ暗転」(「月刊コミックジーン」2018年6月号)
「隣のクラスの蒲田真琴の転落死。
 これはユビキリ様によるものであったが、今までの推測を全てブチ壊すものであった。
 蒲田真琴はクラスの若村柳の恋人で、この事件により、クラスでは疑心暗鬼が一気に噴出する。
 しかし、彼女の死にはユビキリ様の謎を解く鍵が潜んでいた…」

・「第七話 虚像カ実像」(「月刊コミックジーン」2018年7月号)
「死を目前にした若村柳は全てが始まった生物学教室へ行く。
 そこに秋仁たち、斑鳩マリア、不良の五位堂明が集まる。
 ユビキリ様の犠牲者の共通点が明らかになるが、その場にユビキリ様が現れる。
 その姿とは…?」

・「第八話 衝撃ト懐疑」(「月刊コミックジーン」2018年8月号)
「秋仁は皆から犯人扱いされていることを知る。
 しかも、呪いを終わらせるには、彼の死しかないらしい。
 そう知りながらも、普段通りの生活を送らねば、ユビキリ様に殺されてしまう。
 秋仁は平静を装いつつ学校へ行くのだが…」

・「第九話 暴露サレル虚偽」(「月刊コミックジーン」2018年9月号)
「秋仁は学校から逃げ出し、山の中に入り込むも、崖から転落。
 目覚めた時、目の前に廃墟と化した神社があり、忍海姫斗の曾祖母の文書に記されていたものと同じであった。
 そして、秋仁以外にもう一人…」

・「最終話 指切箱」(「月刊コミックジーン」2018年10月号)
「遂に明らかになる真犯人、そして、その理由。
 願いは叶うのであろうか…?」

 都市伝説を絡めたサバイバル・ホラーですが、個人的には、失敗作だと思います。
 二巻から話が急展開過ぎて、ついていけませんでした。(何回か読んで理解はしましたが、やっぱり、わかりにくいです。)
 あと、キャラが壊れまくりなのも、ちょっと…ね。
 ミステリーとしてはなかなか面白いと思うので、内容を整理して読みやすくすれば良かったかもしれません。

2024年1月6〜9日 ページ作成・執筆

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