小沢おさむ「美しき恐怖」(220円)



「人類学者、大村博士の屋敷。
 博士の研究とは、来たるべき未来人類に関するものであり、日々研究が行われていた。
 ある夜、博士は実験に使っていた犬に噛まれてしまう。
 すると、気絶した博士の顔が怪物のように変わってしまうが、朝になると、元に戻っていた。
 その日、友人の堤博士が娘の不由子と共に訪ねてくる。
 夜になると未来人類に変身する博士は、不由子を人体実験に利用しようとする。
 実は、不由子は大村博士の実の娘で、博士は娘を未来人類に作り変えたいと考えていたのであった。
 夜ごと、不由子は博士によって密かに手術を受ける。
 その頃、大村博士の研究が世間に発表され、大反響を巻き起こす。
 大村博士はテレビに出演することになるが、生放送中に変身してしまい、失踪。
 だが、博士は自分の屋敷に、未来人類となった不由子と共に隠れ住んでいた…」

 出来は相変わらず「へっぽこ」ですが、「猫目の少女」(貸本/ひばり書房)よりはマシだと思います。
 「未来の環境に対応できるように人間を改造する科学者」というストーリーは、楳図かずお先生の「半魚人」の影響でありましょうか?
 何故か意味不明な化け物に変身してしまうのですが、それなりに化け物の描写は頑張っております。(残念ながら、「努力」だけでは限界があったようですが…。)
 中でも、モンスターと化した不由子の描写は特筆するに値します。
 このあまりにヤバい目付がインパクト充分で、夜道でこんな人とばったり出会ったりしたら、チビりそうです。



・備考
 前の遊び紙、下部に欠損かつ折れ痕。p1にセロテープの痕あり。pp21〜34、下部に刃物での切れあり。pp25〜28、下隅にコマにかからない欠損あり。後ろの遊び紙に貸出票の剥がし痕あり。

2017年3月12日 ページ作成・執筆

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