原やすみ「青い蛾」(220円)

「蛾を食べるのを好んだために、身も心も蛾になった少女。(具体的な説明は一切ないので、こちらの想像で補ってます。)
 少女は自分が世界一強く、また美しいことを証明するために、不思議な力を使って、可愛い女の子を日々惨殺し、遂には、日本の警察に挑戦する。
 少女の召使である、トルコ人のプジョーは少女をなだめようとするも、少女の行動は次第にエスカレート。
 少女の食べる蛾を集めるアルバイトとして雇われた早川という青年は、陰で少女の陰謀を阻止しようとするのだが、彼の正体とは…?」

 怪奇マンガ・マニアには自明のこととは思いますが、「原やすみ」は好美のぼる先生の別のペンネームです。
 原やすみ名義の作品では、サリドマイド薬禍をテーマにした「奇形児」が有名でして、他にも珍作・怪作が目白押しのようです。
 ここで紹介した「青い蛾」も凄まじくヘンな作品ですが、少女の召使として登場する、トルコ人のプジョーという味のあり過ぎるキャラによって、他の作品よりも頭一つ突き出ている感じです。
 「青い蛾」は、唐沢俊一氏による「UA!ライブラリーH 好美のぼる初期作品集下巻 ねずみ娘」にて、ノーカットで復刻されております。
 安価かつ容易に手に入りますので、欄外の揚げ足取りな突っ込みが気にならない方は、どうぞ。

・備考
 湿気による本体歪み。カバー背表紙色褪せ。カバー裏、新聞紙による補強あり。糸綴じ穴あり。pp100〜107、ページの合間の奥に黒いシミ痕あり。後ろの遊び紙に鉛筆による書き込みあり。

2016年12月21日 ページ作成・執筆
2019年12月18日 加筆訂正

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