北沢しげる「怪奇血どろ淵」(240円)
「石沢賢一は、父親が隠亡(死体焼場の番人)という理由で、幼少の頃から、蔑まれながら育ってきた。
予備校に通うために、一人で上京しても、劣等意識からは逃れられず、孤独な日々を送る。
ある雨の日、彼は、倒れている娘(名前は全く出てこない)に声をかける。
彼は彼女を自分のアパートで休ませ、これをきっかけに二人は付き合うようになる。
だが、彼女は「トルコ嬢」であった。
彼はそれでも彼女を愛し、彼女は販売員として文具店に就職する。
就職祝いに彼は彼女にブローチをプレゼントするが、数日後、彼女が店をやめたことを知る。
彼女は重度の「テンカン」持ちであった。
彼女の告白に衝撃を受け、彼は彼女を愛することができるかどうか悩みに悩む。
数日後、彼のもとに彼女から別れの手紙が届く。
彼は彼女のもとに駆け付け、彼女のアパートでガス心中を図る。
しかし、彼女だけが死に、彼は助かってしまう。
霊安室で彼女の遺体と別れる時、彼は「彼女(が彼を)かならず迎えに来る」という予感を受けるのだが…」
「心霊」漫画の先駆けの一つと言っていいのではないでしょうか?
北沢しげる先生の考えによると、「人間は生まれながらに現在と死後の世界、または、異次元の世界を結ぶテレパシーアンテナのようなものを持っていて」(p11)、「そのアンテナの感度の強い人間と、感度ににぶい人間とのふた通りに分けられる」(p12)とのこと。
また、冒頭、「枕元に、危篤の父親が座っていた」という、よくあるタイプの話が描かれております。
ちなみに、タイトルの「血どろ淵」は最終ページでちょろっと出てくるだけです…。
・備考
ビニールカバー貼り付け。シミ・汚れ、非常に多し、特に、pp102〜107がひどし。袖に貼り付けたテープが前後の遊び紙に着色。
2021年12月25日 ページ作成・執筆