阿木二郎・画/鈴原研一郎・案「カラスと少女」(220円/1965年の夏頃?)

 収録作品

・「カラスと少女」
「父親と一緒に、山へ猟に出かけた少女、堀江京子。
 京子は、巣から落ちた、カラスの雛を拾い上げたところを、親ガラスに襲撃される。
 頭に来た父親はカラスを射殺するが、京子は片目に傷を負ってしまう。
 幸い、傷は目蓋だけで、目そのものは大丈夫であった。
 しかし、眼帯をしているだけで、敏感なお年頃の京子は、人々に奇異の目で見られているように思い、悩む。
 また、お隣の、仲良しだった島内英二も京子に対して、よそよそしくなって、京子はショックを受ける。
 だが、これは英二の兄が轢き逃げを目撃され、取り調べを受けていることが原因であった。
 ただ、肝心の死体がいまだ発見されないままであった。
 そんなことはつゆ知らず、沈んだ気持ちの京子は家の屋根にカラスが集まっていることに気付く。
 日を追うごとにカラスの数は増えていき、愛犬はカラスに襲われて死に、父親はノイローゼ気味となる。
 京子の一家はカラスに呪われているのであろうか…?」

・「ショート・ミステリー その2 カラスと少女」(1965年8月31日完成)
「カラスにダイヤモンドを奪われた男。
 男はそのカラスを飼っている少女のもとを訪れる。
 ダイヤを取り返すべく、男はカラスをナイフで八つ裂きにするのだが…」

 表題作の「カラスと少女」ですが、絵柄がひどく雑で、かなり初期のものであるように思います。
 他の出版社で昔描いたものを再掲載したのでありましょうか?
 もしくは、阿木二郎名義の全く別の漫画家が描いた可能性もありますが、私には知りようがありません。
 内容的には、アルフレッド・ヒッチコックの「鳥」(1963年)に、エドガー・アラン・ポーの「モルグ街の殺人」がちょっぴりといったところです。

・備考
 ボロい。ビニールカバー貼り付け。カバー破れ。糸綴じあり。前後の遊び紙、破れ。pp1〜4の下部、コマにかかる大きな切れあり。pp7・8の下部、コマにかかる欠損あり。読み癖ひどし。切れやシミ、多数。

2016年6月6日 ページ作成・執筆

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