鈴原研一郎「のろわれた夢」(220円)


「篠沢可奈は、両親を飛行機事故で亡くし、婆やと二人暮らしの少女。
 両親は可奈に充分な遺産を残し、可奈は何の不自由なく暮らしていた。
 ある夜、可奈は、パリのエッフェル塔で写真を撮られるという夢を見る。
 数日後、可奈のもとに、航空便が届き、封筒の中には、エッフェル塔をバックに可奈を撮った写真があった。
 これを皮切りに、飼っていたインコが絞め殺される夢を見た翌日、インコはカゴの中で冷たくなっていた。
 更に、愛犬が死ぬ夢を見た翌日には、その犬が毒殺される。
 遂には、婆やまでもが可奈の夢通りに、事故死してしまう。
 可奈は、自分が見る夢が現実のものになることに怯え、ノイローゼ寸前。
 可奈は眠るまいとするが、次に見た夢は、九時に自分が転落死する夢であった。
 可奈の家庭教師を勤める田沼は、可奈の夢の謎を解き明かそうとするのだが…」

 不自然なコマ割りが多く、恐らく、雑誌に掲載されたものを収録したのではないでしょうか?
 粗筋だけを見ると、ホラーのようですが、実際はミステリーです。
 今現在からすると、他愛のない内容ですが、大きな破綻もなく、まあまあ面白いように思います。
 あと、この手のストーリーを徹底してグロにした作品に、関よしみ先生の「悪夢へいらっしゃい」があります。ズバリ、名作です。

・備考
 ビニールカバー貼り付け。カバーの下部に青ボールペンによる、小さな落書きあり。後ろの遊び紙に鉛筆による書き込みと下部に痛みあり。

2016年11月26日 ページ作成・執筆

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