好美のぼる「魅せられた乙女」(220円/1965年2月頃)
「まり子は平凡な女子中学生。
ある日、彼女の周囲で恐ろしい事故が連続して起きる。
しかも、事故にあったのは、彼女に暴力を振るったクリーニング屋、彼女をからかった男子生徒、そして、母親と彼女に関わった人達であった。
彼女は自分の周りの人々に不幸を招くと思い込み、失踪。
海岸で自殺しようとするもカモメに止められ、その後、人買いに売られそうになる。
彼女は探偵を名乗る男性に助けられ、彼の家に住むようになる。
家にはその男性以外に、和子という唖の美しい少女がいた。
男はまり子をしばしば箱を渡すお使いに出す。
彼女は徐々に家の主人に対し不信感を抱くようになるのだが…。
この男の正体とは…?
一方、まり子のボーイフレンドの好太郎はまり子の友人達と協力して、彼女の行方を捜していた。
努力の甲斐があり、彼女のいる場所が下北沢だと突き止める。
彼はまり子を危機から救うことができるのであろうか…?」
絵柄がかなり少女漫画風で(一部、大石まどか先生風)、少女漫画雑誌に掲載された過去の作品を編集して、単行本化したのではないでしょうか?
コマの並びが不自然なページが幾つもありまして、雑な切り貼りが妙に前衛的な空気を醸し出していると言えないこともないのかも…。
内容は相変わらずの唯一無二な「好美ワールド」で、悪魔に憑かれたと思い込んだ少女が知らず知らずのうちに暴力団の手先にされてしまうというムチャクチャな話です。
ヒロインの友人達が捜査にトランシーバーを活用しておりますが、トランシーバーを「ワイヤレス・インターホーン」と呼んでいるのが味わい深いです。
・備考
ビニールカバー貼り付け。後ろの見開きに貸出票の貼り付けあり。
2023年7月12日 ページ作成・執筆